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婚約破棄から始まるとんでも異世界冒険譚~黒猫の騎士とポンコツ姫~  作者: トモモト ヨシユキ
14 デビュタントと5人の男たち(2)
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15-5 虫退治だ!

15ー5 虫退治だ!


俺は、イヌを抱いて地上を目指して飛んだ。

先に地上へ降りた連中を探す。

あっ!

森の木々が倒され少し広い地面が見えている場所があり、そこでアル兄が手を降っているのが見えた。

俺は、そこを目指して飛んだ。

俺たちが地上へ降りると、アル兄が迎えてくれた。

「大丈夫か?2人とも」

「うん。大丈夫。イヌも」

俺は、イヌの方を見つめた。

イヌは、青ざめた表情をしていたけれど、気丈に頷いた。

俺は、辺りを見回した。

そこは、鬱蒼とした森の中だった。

そばの地面の上でラクアスとアレイアスが巨大な魔物の解体をしていた。

ええっ?

俺は、驚きを隠せなかった。

いつの間に?

「ああ?地上に降りたときに偶然こいつと出くわしてな」

アレイアスが短剣を器用に使って、どんどん魔物を解体していく。

「喜べ!今夜の糧が手に入ったぞ!」

うわっ!

俺は、ドキドキしていた。

すごく、たくましいな!

アル兄は、クロと話していたが、俺が近づくと俺とイヌへと向き直り歩み寄ってきた。

「これから、どうする?メリッサ」

「ここは、魔物の森だ。ここを越えていけばガーランド公国へ入るが、この森は、少しヤバい」

クロが俺の側へとよってきた。

「下手に動くより、ここで救助を待った方がいい」

はい?

俺は、目をしばたいた。

そんなに危険な森なの?

「とにかく、イヌの体内の魔吸虫をなんとかしないと」

クロが俺に訊ねた。

「薬が手に入るまで、イヌを凍結して眠らせておくか?」

「いや」

俺は、空想辞典を使って薬草を探した。

そして、それに似た薬草を見つけるとそれをもとにして薬草を作る。

水魔法で水を出すとその中に薬草を入れて水を沸騰させ、その場で薬湯を作るとイヌに飲ませた。

薬湯を飲んだイヌは、少し、顔をしかめた。

苦かったんだな。

それから、イヌは、苦しげに呻いた。

地上に倒れて、胸を押さえて苦しみもがいているイヌを見て、俺は、少し不安になった。

「大丈夫。自分を信じて、メリッサ」

アル兄が俺の手をそっと握ってくれた。

イヌは、しばらくして、激しく嘔吐した。

吐いたものの中に大きなムカデみたいな虫がのたうっていた。

これが魔吸虫か?

俺は、嘔吐物と一緒に魔吸虫を燃やした。

「これで、この件は、解決した」

俺は、クロとアル兄を見た。

「あとは、ここから脱出するだけだな」


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