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婚約破棄から始まるとんでも異世界冒険譚~黒猫の騎士とポンコツ姫~  作者: トモモト ヨシユキ
14 デビュタントと5人の男たち(2)
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15-4 船を降りるんですか?

15ー4 船を降りるんですか?


もちろん船長代理であるライは、イヌを殺そうとした。

だが俺には、それを見過ごすことはできなかった。ラクアスとアレイアス、それに船のオーナーであるアル兄も俺たちを擁護してくれた。

「なら、あんたたちには、こいつと一緒に船を降りてもらう」

ライは、俺たちに残酷な決断を述べた。

「船長代理として船を救うためには、そうせざるを得ない」

「そんな、無茶苦茶だ!」

ラクアスは、抗議した。

「せめて、どこかに寄港して下ろしてくれ」

だが、ライは、頭を振った。

「船が寄港できる港を探している間に、俺たちは全滅だ。悪いことは言わない。その子供を船から捨てるしかないんだ」

「なら、我々もここで船を降りる」

アレイアスが毅然とした態度で言った。

ライは、溜め息をついた。

「この子供のために、か?あんたたちは、バカだ」

というわけで、まず、アレイアス。そして、ラクアス。アル兄とクロもそれに続いた。

最後に俺とイヌが飛び降りることになった。

船の回りには空の鮫であるエアシャークの群れが集まってきていた。

「ああ。これは、先に飛び降りた連中もヤバイな」

ライが俺に聞いた。

「あんたは、やめとくか?姫様」

「行く!」

俺は、きっとライを睨んだ。

「行くに決まってるだろうが!」

「ああ?」

ライがにやりと笑った。

「おっかねぇ姫様だな。だが、俺は、嫌いじゃねぇぞ」

震えているイヌを抱いて板の上を歩いていく俺の背にライは、言葉を投げた。

「また、無事に会えることを祈ってるぜ、姫様。そのときは、俺の女にしてやるぜ」

「要らねぇよ!」

俺は、叫んだ。

そして、俺たちは、下へと飛び降りた。

俺は、イヌを抱いて落下しながら襲ってくるエアシャークを撃退していた。

身体強化の魔法をかけた拳でエアシャークの額を殴る。

すると一瞬エアシャークが意識を失う。

その隙をついて俺は、飛翔の魔法を使って空を飛んだ。

犬は、怯えて俺にぎゅっとしがみついてくる。

「死にたくない!死にたくないよぉ!」

「大丈夫、だ。イヌ」

俺は、イヌを強く抱いて囁いた。


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