表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
婚約破棄から始まるとんでも異世界冒険譚~黒猫の騎士とポンコツ姫~  作者: トモモト ヨシユキ
13 デビュタントと5人の男たち
151/216

13-11 なんの種ですか?

13ー11 なんの種ですか?


俺たちは、客室へと案内されたけど、母様は、憤っていた。

「私のメリッサをそんな品評会みたいなものに招くなんて、最低だわ!メリッサ、帰りますよ!」

「でも、母様、馬車は、1週間後まで迎えに来ないし」

俺は、母様をなだめようとした。

「仕方ないから、1週間だけ我慢しよう」

「メリッサ、あなたは、平気なの?こんなことに呼ばれるなんて!」

母様の怒りは、おさまるどころかどんどんヒートアップしていた。

俺は、正直に話した。

「でも、俺は、少し、ホッとしてるんだ」

俺は、母様に言った。

「もう、絶対にサイナス辺境伯の婚約者にならなきゃいけないんだっておもってたけど、そう考えるとすごく落ち着かない気分になってたんだ」

いや、落ち着かないというよりは、自分に嘘をついているような気分、だった。

本当は、俺は、サイナス辺境伯のことなんか、好きでも嫌いでもなかったのに、自分を騙しているような気がしていたんだ。

まあ、俺は、サイナス辺境伯のことなんて、ほとんど知らないし、好きでも嫌いでもなかったんだけど。

ただ、もしかしたら好きになれるかもって思っただけ。

夕食の時間になると俺たちは、大きな食堂へ招かれた。

母様は、まだ怒りがおさまらない様だったけど、まあ、1週間だけだし諦めたみたいだった。

その場には、5人の令嬢が全員集まっていた。

その婚約者候補たちは、なかかなそうそうたるメンバーだった。

王族の血を引いている本物のお姫様であるアリシア・アンドレア嬢に始まり、王都の商業ギルドの大物であるゲイリー家のお嬢様であるルーチェ・ゲイリー嬢、その他もみな名家のお嬢様ばかりだった。

ただ、母様によると俺以外は、みな、二十歳前後の訳あり令嬢ばかりらしい。

みな、辺境伯の花嫁になるために必死なのだろう、と母様は、見ていた。

でも、俺たちには、関係なかった。

俺たちは、もう、帰る気満々だったし。

舌も蕩けるような晩餐の後、どうやらこのふざけた集いの主催者であるらしいラートリアさんが俺たちにそれぞれ、小さなリボンのついた皮の袋を渡していった。

「これは、中に一つだけ種が入っています。それは、サイナス辺境伯が気を込められた魔法の種です。それをみなさまにはお世話していただきたいのです。この1週間の間に実がなれば、その方は、合格です」

はい?

俺は、小首を傾げた。

どういうこと?

っていうか、何の試験なんだよ?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ