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婚約破棄から始まるとんでも異世界冒険譚~黒猫の騎士とポンコツ姫~  作者: トモモト ヨシユキ
2 幼年期の終わる頃
14/216

2-6 噂って、どの噂のことですか?

2ー6 噂って、どの噂のことですか?


「今日は、サイナス辺境伯のもとに用があったのですが、ついでに、この冬にある私の20才の誕生日パーティーの招待状をお届けに来たのです」

シュナイツが俺に意味ありげな眼差しを送ってきたので、俺は、ひきつった愛想笑いを浮かべた。

父様が俺の方を見てから口を開いた。

「せっかくのご招待だが、まだ社交界デビューは、メリッサには早いのではないかな?ご存じの通り、この子は、まだ、10才ですからな」

「しかし、私の誕生日ですし、なによりも父王がメリッサに会うことを望んでいるのです」

「国王が?」

父様が眉をしかめた。

「なんで、また?今まで、会おうともしなかったお方が」

「父王は、最近、メリッサの噂をお聞きになって、興味を持たれて、ぜひ、会いたいと望んでおられるのです」

俺の噂?

俺と父様とアル兄は、無言で視線を交わしあった。

どういう噂だ?

サイナス辺境伯領との境界にある森に住む魔物のグレイベアを1人で3頭狩った時の話か?

それとも、イリエスタ伯爵領から逃げ出した奴隷たちをかばった時に、難癖つけられて攻め困れたときに、クロと2人で伯爵の自慢のゴーレム軍を退けた時のことか?

それとも・・

俺が、頭を悩ませていると、シュナイツが笑顔で言った。

「あと、アルム殿も、ぜひ、ご一緒にともことです。なんでも、最近、あなたたちが売り出したカードゲームの話を聞きたいとかいうことなので」

なるほど。

シュナイツのその話をきいて、俺は、納得した。

最近、『アルとメル商会』から売り出したカードゲーム『魔法使いと謎のダンジョン』は、カードに魔力を閉じ込めていて対戦時には、ちょっとした模擬戦のように戦いを楽しめるといって人気のゲームだった。

この娯楽の少ない世界においては、画期的な玩具だった。

というか、子供だけでなく大人たちも夢中になっていた。

そうか。

国王にもその噂が届いているのか。

それで、『アルとメル商会』の俺たちを呼び出して謁見しようとしているということか。

俺は、少し、ホッとしていた。

よかった。

はやく、シュナイツのもとに嫁入りせよとかいうことでは、なさそうだ。


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