12-12 最優秀クラスは?
12ー12 最優秀クラスは?
俺たちは、熱気でむんむんしている闘技場内の特設舞台へと上がった。
クロが拍子をとり、ゆっくりと曲が始まる。
俺は、ぎゅっと拳を握ってなんとか、立っていたけど、静かに歌い始めた。
ずっと君と一緒だと思ってた。けれど、僕は、君の恋人じゃない。
闘技場内が静かになっていく。
僕たちは、さよならも言わずに別れた。このまま、もう、出会うこともない。
俺は、思いを込めて歌った。
もし、夢で会えたなら、君に伝えられるだろうか。さよなら、を。
これは、俺が前世でよく聞いていた歌だ。
生まれ変わってからも、時々、1人で歌ってた。
俺たちの歌が終わっても、 会場は、しんと静まり返っていた。
俺たち、やっちまったのか?
俺が不安げに回りを見渡すと観客席にいた1人の女子生徒が立ち上がって、拍手を始めた。
まばらに拍手が始まり、それは、徐々に広がっていく。
闘技場が地響きがするほどの歓声に包まれた。
俺たちは、大歓声の中、舞台から降りていった。
俺は、まだ足が震えていて、よろめいた。
クロがそっと支えてくれる。
「大丈夫か?メリッサ」
「うん」
俺は、舞台を後にしながら、もう2度とやりたくないと思っていた。
そして、『愛と美の女神コンテスト』は終了した。
じいちゃんや、他の教官たちの公正な審査のもと、最優秀クラスの発表があった。
「どうせ、勝つのは、私たちのクラスだ」
プジョンが根拠のない自信を持って、俺に言ったけど、俺は、無視していた。
プジョンのクラスは、伝説の王の物語のパロディをしていた。
いや、あれは、シリアスじゃないよね?
とにかく、伝説の王の物語の中、王が愛しい妃に詩を送るシーンをプジョンが怪演してたけど、なぜか、会場は、笑いに包まれていた。
じいちゃんが闘技場に現れて、中央の舞台の上に立つと、咳払いをした。
「今回は、面白い・・いや、情熱的な作品が多く、我々も迷ったのだが、最優秀クラスが決定した」
じいちゃんが一際声を高めた。
「最優秀クラスは、『花嫁クラス』に決定した!」
マジか!




