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婚約破棄から始まるとんでも異世界冒険譚~黒猫の騎士とポンコツ姫~  作者: トモモト ヨシユキ
12 学園祭の花は誰だ?(2)
135/216

12-8 雌雄を決しようじゃないか!

12ー8 雌雄を決しようじゃないか!


はい?

俺は、小首を傾げた。

なんで?

「どうして?」

俺がリューイ先生にきくと、先生は、笑顔で答えた。

「そこに『特別クラス』のルル・レイジアのゴーレムがいるだろう?」

ええっ?

俺は、犬型ゴーレムの鼻先を見た。

すると。

ぴょん、とノミのような小さなものが飛び出した。

「ふっふっふっ、この私の策にはまったな、ネイジア・ガーランド!」

小柄な赤毛が俺の背後から現れた。

「見たか!隠密の術で気配を消した私の特製ノミ型ゴーレムの威力!」

はい?

ノミ、ですと?

マジですか?

「これがお前のゴーレムの鼻先についていたのだ!」

ルルは、何か小さなものを指先で摘まんで持ち上げた。

「ざまあみろ!このブス!」

「でも、俺たちのクラスが独走状態だったのに?」

「かかったな、ガーランド!」

プジョンがどや顔で高笑いしている。

「私は、徹夜してルールブックを研究したのだ!その結果、1人の走者が全工程を走ることはルール違反ではないのだ!しかも、参加人数は、5名以上とあるだけだ。どうだ!参ったか!」

マジですか?

俺は、愕然としていた。

「このルルのゴーレムは、お前たちのゴーレムに気配を消してずっと引っ付いていたのだ!」

「くっ!」

俺は、グゥの音もでなかった。

でも、このルルの造ったゴーレムも、彼女の隠密の術もすごいな。

俺は、あきらめて負けを認めた。

「大丈夫、ですわ!メリッサ」

クリスが俺を励ますように言った。

「本当の勝負は、明日のコンテストなんですから」

そうだった。

俺は、はっとした。

明日の『愛と美の女神コンテスト』で1位になれば、というか、もう、俺たち5番勝負の内、3試合勝ってるし優勝は決まりなんじゃ?

「いいか!ガーランド!」

プジョンが俺を指差して叫んだ。

「明日の勝負で雌雄を決するぞ!明日の勝負で勝った方がクロノの、じゃなくって、真の勝者だ!」

クロノの、ってなんだよ?

俺は、頷いた。

「いいだろう。雌雄を決しようじゃないか、プジョン」

「勝った方がクロノの恋人になる権利がある!それでいいな!忘れるなよ、ガーランド!」

はい?

俺は、去っていくプジョンの背を見送っていた。

なんですか?

それは?


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