12-7 勝者は?
12ー7 勝者は?
リューイ先生が手を振り下ろすと同時に各クラスのゴーレムが走り出した。
1番最初に闘技場から飛び出したのは、やはり『特別クラス』のゴーレムだった。
他のクラスは、途中で術が解けて泥になってしまったり、コントロールがきかず壁に突っ込んだりとレースは混線していた。
ちなみにこのレースの様子は、闘技場に作られた巨大な水鏡に撮し出されていた。
そんな中、クリスは、順調に進んで『特別クラス』のゴーレムの背をとらえていた。
ぎりぎり2位でクリスは、次のクロへとバトンタッチした。
クロは、5メートルもあるかというような巨大なゴーレムを造り『特別クラス』を追った。
というか・・
クロのゴーレムが『特別クラス』のゴーレムを踏みにじって進んでいく。
マジか?
『特別クラス』の第二走者であるグレイが猛烈にコース内に立って監視している審判に抗議している。
だがしかし!
これは、ルールには引っ掛からないのだ。
別にゴーレム同士で戦ってはいけないとはルールにはないからな。
「いけっ!クロ」
俺が声援を送るとゴーレムの肩に立っているクロが嬉しそうに手を振るのが見えた。
と、ここでグレイが術の詠唱を始めた。
何をする気だ?
グレイは、巨大な光の刃でクロのゴーレムに切りかかったが、クロは、炎の盾でそれを防いだ。
そうこうしている間に第三走者ラクアスへ。
ラクアスのゴーレムは、馬型ゴーレムだった。
速い、速い!
あっという間に第四走者ピナへ。
ところがピナのゴーレムが問題だった。
ピナのゴーレムは、人形型のようなゴーレムだった。
ちょこちょこ走るわりに、意外と速い。
しかし。
なんか、怖いんだよ!
しかも、敵の攻撃に備えてか、人形に大きなナイフを持たせてるものだから余計に怖い。
アンカーで待っていた俺は、自分の方へと笑顔で走ってくるナイフを持った人形の姿に、しばらくの間、うなされそうな予感がした。
そして、アンカーの俺のゴーレムはというと。
大型犬ぐらいの大きさのゴーレムだ。
毛並みもふさふさ。
再現度は、半端ない。
さすが、俺!
そのまま、俺は、犬型ゴーレムと一緒に闘技場に入りゴールした。
だが。
「勝者!『特別クラス』!」




