11-11 負けられない!
11ー11 負けられない!
俺の次の対戦相手は、普通クラスの子だった。
俺は、その相手を軽く瞬殺してみせた。
いよいよ 決勝戦だった。
ライザが俺をじっと見つめていた。
彼女にどんな勝たなきゃならない理由があるにしても、俺は、負けるわけにはいかないんだ。
やるしかないんだ!
そして、魔法の部個人戦の決勝戦。
俺は、闘技場に立ってライザと向き合っていた。
ライザは、なんかぶつぶつと呟くと氷の刃を俺に向けて打ち込んできた。俺は、それをすべてかわした。
休むまもなくライザの次の攻撃は繰り出される。
うん?
ライザは、無詠唱じゃないけど、詠唱があきらかに速い。
俺は、ライザへと向けて5本の光の刃を叩き込んだ。
ライザは、とっさに土の壁を築いて俺の攻撃をかわした。
が、俺は、そのライザの頭上から雷の雨を降らせた。
ライザは、かわすことができずに雷に撃たれて倒れ込んだ。
手加減はしたんだけど、女の子相手にちょっとやり過ぎたかな?
俺は、ライザの方へと歩み寄った。
ライザは、よろめきながらも体を起こして立ち上がろうとした。
「まだだ!まだ、やれる!」
ライザは、小さな氷のつぶてを作り出し、それを俺に向かって撃ち出した。
俺は、軽くかわすとライザに言った。
「もう降参しなよ」
「うるさい!」
ライザは、俺に向かって声をあらげた。
「お前なんかに、私の気持ちがわかるものか!」
その瞬間、ライザの中の闇が俺の中に入ってくるのを感じた。
ライザの母親は、昔、将来を誓いあった相手がいたにも関わらず親の都合で、今の夫である現 魔導師団長であるグロウリー・ダリウスの第2婦人となった。
グロウリー・ダグラスには、すでに正妻がいたのだが、なかなか子に恵まれなかったため、もう1人、妻を娶ることとなったのだった。
すぐにライザの母親は、ライザを身ごもった。
だが、人々は、ライザの父はグロウリー・ダリウスではないのではないかと噂した。
グロウリー・ダリウスがライザに自分の姓を名乗らせなかったこともそう言われる理由になった。
だが、それは男の子以外にダリウス姓を名乗らせないという正妻との約束だったのだ。
「私は、証明しなくてはならないのだ。お父様の本当の子であるということを!」
氷の刃を握り締めにじりよるライザを見て、俺は言った。
「もうやめておけ。じゃないと死ぬぞ」
「死んでもいい!」
ライザは、叫んだ。
「お父様の本当の子であると認められるなら、私は、いつ死んでもいいんだ!」
「ばかなことを」
俺は、ライザの首もとにちょんと触れると弱い電流を流して彼女を眠らせた。
「勝者、ガーランド!」




