11-3 コンテストですと?
11ー3 コンテストですと?
俺は、まず、今までのクラス対抗試合のデータをアンナ先生に集めてもらった。その結果、ここ10年、アンナ先生のクラスが最下位でなかったことは、1度もなかったことがわかった。
なんじゃそりゃ!
クラス対抗試合は、1学年10クラスが5つの部門で競い合う大会だった。
まずは、個人戦。
これには、魔法戦と、剣技戦とがあった。
そして、団体戦。
これには、魔法戦と、団体リレー戦があった。
団体リレー戦?
俺がきくと、アンナ先生が答えた。
「5人の代表で魔法を使ったリレーをするのよ」
なんじゃそりゃ?
なんでも、その年によって使用する魔法の種類は変更されるのだというのだが、なんらかの魔法を使ってリレーをするのだという。
ちなみに、今年は、土魔法だった。
「土魔法でリレーって?」
俺が問うと、アンナ先生が言った。
「ゴーレムよ」
土魔法でゴーレムを造ってそれにリレーをさせるらしい。
これは、難しい。
まず、うちのクラスに土魔法を使える生徒がどのぐらいいるか。
さらに、ゴーレムを造れるものが何人居るのか。
そして、さらに、そのゴーレムを動かせる者となるとな。
俺は、過去の試合のデータをまとめたものをめくっていった。
最後の1つは・・
「なんだ、これは?」
なんと、最後の1部門だけは、毎年、アンナ先生のクラスが1位だったらしい。
だが、その内容が。
「学年1の人気者を選ぶコンテスト、だって?」
題して『愛と美の女神コンテスト』
はい?
なんですか、これは?
ちなみに、俺は、愛と美の女神の加護を受けてるんだが、そのことは内緒にしていた。
たぶん、アル兄とクロとじいちゃんしか知らないはずだった。
だが、これは。
俺は、アンナ先生に訊ねた。
「この『愛と美の女神コンテスト』ってのは?」
「ああ、それ?」
アンナ先生は、目を煌めかせて答えた。
「そのコンテストは、この学園の学園祭の目玉なのよ。それで1位を勝ち取ったクラスには、恋愛成就の加護があるとかなんとかいってね」
「はぁ・・」
恋愛成就?
俺は、アンナ先生にきいた。
「いったい、どういうコンテストなの?」
「これは、ね」
アンナ先生が俺にそっと囁いた。
俺は、アンナ先生の話を聞き終えると、にやりと笑った。
いける!
これは、全部門1位を狙えるぞ!




