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男女逆転から始まる異世界冒険譚  作者: ペンちゃん
41/76

41 相まみえる

  静寂が満ちる王の間、そこでは、肩に担いでいた巨大な両斧を片手に構えるヴェルデスタとそれに対峙するコトミとカルブの姿があった。

 

 二人はヴェルデスタに怯む事もなく剣と拳を構え、双方共に相手の出方を伺っている。

 

 「ユウキさんを離せ!」

 

 カルブはそう叫び剣をヴェルデスタに向けるが当然ながら効果は無く、それどころか脇に抱えるユウキをちらりと見やると以前と同じように斧を向けた。

 だが…以前と違ったことは…。

 

 「おいおいおい!!

 そんな危ないものを近づけるな!!

 聞いているのか!?

 この!離せ!!

 ちょっ…あの…やめてください…」

 

 ユウキは気絶しておらず、これでもかとジタバタと暴れている。

 それも当然だろう。

 身動きも取れない状態で目の前に斧の刃を向けらてているのだから。

 

 「くっ暴れるなっ!

 少し顔に切り傷をつけるだけだ!

 暴れると、余計に傷が入るぞ」

 「ふざけんな! そう聞いてはいそうですかって納得出来るか!

 コトミー! カルブ! 

 助けてくれ!!」

 

 そうしてユウキがヴェルデスタの気を大きくそらした為コトミはこれを見逃す事なく、走り始めた。

 

 「勇者!ダイナマイトキック!!」

 

 それは、ただの助走をつけた全力の飛び蹴り。

 だが…効果は十分に発揮された。

 予想外も含まれたが…。

 

 「馬鹿な!人質ごとだと!?」

 「あっ……」

 「お前!俺がまだいるだろうがーーー!」

 

 ヴェルデスタは咄嗟に斧を盾にし構えたが後方の柱まで大きく吹き飛ばされた。

 

 その際、ユウキはヴェルデスタの腕からすっぽ抜け高く舞い上がるとそのまま落下を始めた。

 天井が近くに見える。

 そして懐かしきかな…落下する感覚。

 

 「いやぁああああああ!!」

 「ユウキさん」

 

 地面があっという間に近づきぶつかる寸前、カルブが横から飛びつき落下のエネルギーを転じさせた。

 

 ゴロゴロとカルブと転がり、止まる。

 

 「先輩っ…大丈夫っすか?」

 

 なんとか事なきを得て目を開けるとカルブを胸にそしてコトミが慌てた様子で駆けつけて来た所だった。

 コトミの差し伸ばした手を握りカルブと共に起き上がる。

 

 「大丈夫ですか?

 ユウキさん…怪我はありませんか?」

 

 カルブはそうユウキの胸の中で顔を見上げ聞くとある事に気づいたらしく顔を赤らめ、慌てて離れた。

 

 「すっすいません…私っそんなつもりじゃ……」

 

 それには首を傾げた、別におかしな事は無いが…。

 それでもカルブは顔をそむけアワワと顔を抑えている。

 

 〈いっ…今…ユウキさんの胸に…私…〉

 

 不思議そうにカルブを見ているとププッとどこかから笑い声が聞こえた。

 

 「それにし…ても…先輩…相変わらず…おかしな格好っすね…ぷっ」

 

 それはコトミがクスクスと口を手で仮面の上を塞ぎ笑っている所だった。

 どうやら、今来ているチャイナドレスがよほど面白いらしい。

 

 相変わらずこいつは…。

 

 そう思いながらも今の姿はあまり見られたくないのであまりその話を深堀せず無視する事にする。

 

 「先輩?…もしかして怒ってます?

 そんな化粧までしちゃって。

 可愛いいっすね」

 

 知らんふり 知らんふり。

 相手にしたら負けだ。

 

 そうしてコトミの言葉を躱し続けているとふと忘れていた声が聞こえた。

 

 「全く、相変わらずの馬鹿力だな…。

 が…怒りは隠してはいるが捨てきれていない」

 

 ヴェルデスタがそう話し起き上がる。

 するとコトミはふざけるのを辞めすぐさま俺を無理矢理、肩に抱えヴェルデスタから距離を取った。

 

 「流石に近づき過っすか。

 これでも、ガルフさんやアンジュちゃんに聞いた通りに冷静を保ってたつもりだったんすけどね」

 

 コトミは玉座まで離れるとユウキをそこに座らせるように下ろすと膝を床につけた。

 

 どうやら力を一部奪われたらしい。

 

 「カルブちゃん…後は任せたっすよ」

 

 …

 

 王の間での戦いが始まろうとしている中、ヘレナとペネトラは今まさに激闘を繰り広げている最中であった。

 

 ペネトラが優勢に傾いているこの戦局の中、ヘレナは一定の距離を保ち防戦一方の戦いとなっている。

 それほどにペネトラの纏う風は凶悪な魔法だ。

 

 最初は気にせず戦って来たヘレナも徐々に傷が増えていく現状に思うように剣を交える事ですら出来なくなった。

 

 短期決戦で終わらせる事が出来れば問題は無い…がしかし。

 同じ剣術を扱うペネトラだ。

 剣では五分、決着をつけようにもそう上手くは行かない。

 

 「全く、イラ姉様も厄介な土産物を下さるものだな…」

 

 魔法剣…それはウルティム家に伝わる剣技の中に含まれる技術。

 魔力コントロールで瞬間的に生み出される最強の剣技。

 それがウルティム家の伝わる剣の基礎であるがその更に上に魔法を剣や肉体に纏わせる物がある。

 

 魔力は人それぞれに属性や特徴を持つため千差万別。

 ペネトラの様に風を操る者もいれば雷や火を扱う物もいる。

 

 その剣術や技術を理解し体得したペネトラはまさに鏡に映る自分を相手にしている様な戦いづらい敵。

 この決着は少し長引くだろう。

 だが…それでいい。

 

 現在、上ではコトミ…いやカルブがあのヴェルデスタを相手取っている筈だ。

 コトミがその露払いをするとはいえ、こいつを本命の戦いに向かわす訳にはいかない。

 

 ヘレナはそう思考を巡らせながら剣を握りペネトラを見据えた。

 読んでいただきありがとうございます     m(_ _)m

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