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男女逆転から始まる異世界冒険譚  作者: ペンちゃん
40/76

40 戦う者達

 「ん? 今何か通ったか?」

 

 壁へと向かう兵が不思議そうにあたりを見渡し近くにいた仲間にそう問いかける。

 

 「いや? 何も見てないが…」

 

 シーフが屋根や裏路地を駆使し、まるで風の様に町中を駆け抜けていく。

 そんな中、シーフは昨日…ヘレナが言っていた事を思い出す。

 

 …

 

 「作戦?」

 「ああ、先程考えた」

 

 その作戦はユウキを救い、ヴェルデスタを倒す作戦だ。

 まず、考えた策は兵を壁の防衛に回す為の囮役を作り兵を減らし城、もしくは外にいるであろうヴェルデスタを孤立させる。

 だが…その孤立させるための方法が思いつかない。

 そうして話し合った結果これにはガルフが手を上げた。

 

 「出来ればこれは使いたくなかったが…誰も無理そうなら私がやろう。

 前から準備をしてきた物を使えば何とかなるだろう」

 

 ガルフは腕を組みそう言いうとヘレナの話を進めさせた。

 

 「そうして襲撃…できればここでシーフ、お前がユウキ様を助けるんだ。

 もしそれが失敗、もしくは無事に成功したなら…次は…」

 

 …

 

 もとよりヴェルデスタを倒す事は期待してはいない。

 ヘレナはそう言っていた。

 

 できればその倒す作戦を行う前にユウキを助ける…と言う考えだったが今はそれも叶わず。

 

 「後はあいつらに任せるしかないか…」

 

 悔しさを持ちながらも開き直り走り続ける。

 

 そもそも奴を倒す事は自分では不可能な事だ、化物退治は他に任せよう。

 今は自分にできる事を…。

 

 そうしてたどり着いた場所は数十人の兵達に守られた大きな硬く閉ざされた門の前だった。

 

 シーフは背中の弓を取り出し構え建物の影より弓で狙いを定める。

 

 …

 

 「ガルフ団長、本当にこれでよろしいのですか!?」

 

 虎の獣人である副団長のファングが大きな虎に乗り馬上にいる私にそう聞く。

 現在、兵を立ち止まらせ膠着している状態、せっかく集めた民兵達の指揮は落ち始め不満の声が多く発せられている。

 

 それもそうだろうとガルフは思い、馬上より見渡して思う。

 彼らはもう長い年月魔王軍に圧制を強いられ続けてきた者達だ。

 物を押さえつける力を強くすればするほど反発の力も増大する。

 そしてそれは人も同じ。

 その力が今、放たれようとしている時にただ立ち止まっているだけの状態となれば無理もないだろう。

 

 おまけにそれを指揮しているのは獣人…。

 今戦っている魔王軍、ヴェルデスタの軍勢と混同してしまっている。

 これでは指揮は長くは持たない。

 それでも…。

 

 「ファング…今手を出せば無駄な犠牲者が出る。

 今は時を待つんだ」

 「しかし、団長!」

 「…少し落ち着け」

 

 緊張しているのだろう。

 それにファングは少し熱くなりやすい性格だ。

 なので少し頭をポンポンと叩き落ち着かせる。

 

 「団長…」

 「ファング…皆に伝えて備えさせろ。

 魔王軍からの解放は近いと」

 「はっ…はい!」

 

 ファングは頬をどこか赤く染め顔をそむけると慌てて後ろにいる民衆のもとへと向かっていく。

 それを見送り終わると空を見上げた。

 空は分厚く暗い雲に覆われ始めている。

 一雨降られそうだ。

 

 「カルブ…無理だけはするなよ…」

 

 …

 

 コツコツコツ

 

 数万という兵が魔王軍幹部の住まう巨城を取り囲む中、その当事者であるヴェルデスタは取り乱すどころか冷静だった。

 

 「人が誰一人としていない…」

 

 周りを見渡しながら、そうつぶやく。

 城の門をくぐり城の前まで歩き王の間へ向かう。

 それまでの間、城の男共どころか兵士さえ誰一人として見かけていない。

 

 確かに兵を壁に送るようにと命令はしたが明らかにおかしい。

 城には城の近衛兵が居るはずだ。

 それもこの状況下、暗殺者がまたいつ何処で襲ってくるか分からない状態だ、それならばすぐさまに駆けつけて来てもおかしくは無い。

 

 「何かあったか…」

 

 そんな疑念を持ちながらも石の階段と石畳を進む。

 そうして辿り着いた王の間へと続く扉を片手で開け放ち恐れず進み行った。

 

 王の間…そこは広く、赤色で染め上げられた空間だ。

 王座の両側には金色で作られた牛の彫像が置かれ、真後ろは太陽の光が差し込むようにと広く広大な街並。

 そしてその更に向こう側の山々を見渡せる美しい景色が広がった立派な舞台が作られている。

 

 太陽の光、そして玉座とその間。  

 調和が取れており息を呑む程に美しい。

 

 だが…今現在その王の間には先客がいた。

 

 その者は一人…玉座に堂々と座り足を組み更には頬杖をついている。

 

 「ふっ…どうやらこの美しい王の間で暴れてくれたようだな」

 

 ヴェルデスタは血を流し倒れている近衛兵達と不自然に球体型に凹んだ壁を見て微笑を浮かべ玉座に座る者を見る。

 

 「どうやら余程の強者つわものらしい。

 あの時の子狼か?

 いや…」

 

 そう考えを頭に巡らせながら問う。

 しかしそんなヴェルデスタの問いに答えた声は…。

 笑い玉座より力強く飛ぶと華麗に着地してみせた。

 

 「ハッハッハ!

 例え地の中水の中、ユウキ先輩の為…

 世界をも越える謎の美女…。

 またの名を!

 仮面勇者コトミ…。

 推!…参!っす!

 そして!!」

 「ユウキさん!!」

 

 そうコトミが告げると玉座の奥にある舞台より小さな影が現れ仮面勇者の隣へと駆けつけた。

 その黒い影には可愛らしい小さな耳と尻尾が見える。

 

 「私です!助けにきました!!」

 

 カルブとコトミはそう言うと剣と拳を構えヴェルデスタに向けた。

 

 「私達の目が黒い内は先輩を好きな様にはさせ無いっすよー!!」

 「例え…何度だってユウキさんを助け出してみせます!!」

 読んでいただきありがとうございます     m(_ _)m

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