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男女逆転から始まる異世界冒険譚  作者: ペンちゃん
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ホームレスサバイバー

 ユウキは朝、寒さで目を覚ました。

 お腹が空いた…喉が痛い。

 「何が異世界だ」

 ここには何も無い、異世界に来なければ今頃温かいベットの上で起きていただろうに。

 ユウキはそんな事を考えながらもどうしたものかと頭を悩ました。

 昨日の夜から何も食べてない。

 テレビの知識だが、人は何も食べず7日、水を飲まず3日、それだけしか生きれないと観た。

 ユウキは取り敢えずゴミを漁ることにした。

 「あー、臭い。

 良いものも何も無いな」

 あるのは、カビだらけのパンやら腐ったゴミばかり。

 まともな食べ物がない。

 しかし漁っているとボロボロの布を見つけた。

 「これ使えるんじゃ…」

 ユウキは昨日の寒い夜を思い出した。

 「臭いけど凍死よりはましか」

 ユウキはそれを持って自らの拠点にしようと決めた場所に置いておいた。

 どうするべきか…。

 今、一番分かるのは金が必要だと言う事。

 ホームレスがやってそうなのは。

 ユウキはアメリカのホームレスを想像して行動を起こした。

 ユウキは道端に行き木の板に黒い炭で文字を書いた。

 「マネープリーズ」

 その日、一日中続けたのだが収穫は銅貨3枚だった。

 その3枚を握り宿屋へと向かう。

 そこで男性店員を見て思い付いた。

 働けばいいんじゃね…。

 ユウキは3銅貨で果物を買って拠点に持ち帰った。

 「美味い!」

 その味は今まで食べた中で一番美味しく感じた。

 ユウキは今日のその小さい収穫を大切に皮までなんとか食べれないものかと、食べてみたりした。

 「苦い」

 何度か挑戦しなんとか全てを食べ終えた。

 しかし、次の作戦は決まった、仕事を探す事だ。

 その日、2日目の夜を迎えた。

 朝起きると暖かく、猫が自分の上で寝ていた。

 「うわああ」

 ユウキは驚き飛び上がった。

 すると猫も驚き走って逃げていく。

 「なんだ…猫か」

 体が痛い、流石に2日も冷たい石の上で寝るのは辛いものがある。

 しかしそんな文句も言ってられない、今日は仕事を探さないといずれ死ぬ。

 …

 まず当たるのはあのレストラン。

 「すいません、僕を雇ってもらえませんか?」

 しかし入ろうとした瞬間追い出された。

 次はダメ元で宿だ。

 もし仕事が出来るようになったら冒険者キットそして、一応スカートなのだが服が手に入る。

 ユウキは堂々と入り…。

 「また、来やがったな」

 追い出された。

 とにかく、扉を叩き続けろ。

 テレビで、ホームレスの人に冷たく警官が言っていた言葉だ。

 ユウキはそれを信じ色々な店を探し駆けずり回った。

 結果は惨敗。

 多分、匂いや汚れが駄目なのだろうが残念ながら、そんな都合よく風呂には入る事は出来ない。

 その日、夜に帰宅した。

 するとそこにはあの猫がユウキの布の上でうずくまって寝ていた。

 ユウキはその猫を見て何か思い出しそうになった。

 猫…猫………猫!!

 そうだ、一人いる。

 あの服屋の!!

 名前はそうユリファさんだ。

 ユウキはそう思いだし急いでその店に行った。

 しかしそこにあったのは残酷な現実だった。

 張り紙が店のドアにしてある。

『うちの店で買おうとしてたお客様ごめんにゃー。

 数週間の間、新しい装備を仕入れるため出張するにゃー』

 ちくしょおっっっっ!

 ああ…神よなぜ私をこの異世界に…。

 この日、なんの成果も得られる事もできず3日目の夜を迎えた。

 …

 朝、今日も猫と一緒に寝た。

 おかげで寒さはぎりぎりしのげた。

 水分は果汁を飲んだが流石に限界に近い。

 腹もかなり空いた。

 ユウキは取り敢えず水がいると思い…。

 「マネープリーズ」 

 ユウキはその日、ゴミをあさり、仕事を探し、乞食に打って出た。

 生きてなんぼの人生、みすぼらしいとでもなんとでも言うがいい、俺はこれにかける。

 結果…今日は偶然、貴族の人が通り銀貨3枚をくれた。

 ユウキはそれを大切に握りあたりを警戒しながら運んだ。

 安い宿一泊できるレベルの収入。

 「これは、運命を変える一手を打たねば」

 ユウキは考えた。

 これを食べ物に変えるか。

 宿を取り体を清潔にし一日のタイムリミットで仕事を探すか。

 ユウキは後者の賭けに出ることにした。

 …

 「すいません、1泊お願いします」

 「あの… お客様? お金は…」

 ユウキはすぐさま追い出される前にと銀貨3枚をカウンターに叩きつけた。

 その夜はシャワーを浴び石鹸でよく体を洗い、ふかふかでは無かったが石畳と比べたら全然ましなベットで過ごした。

 更に水と食料もついてくるのでユウキは全て残さず夜と朝のご飯を食べた。

 その後ボロボロの服だったがすぐさま仕事を探しにでかける。

 色々、今まで訪ねた店をあたったが人数は足りており更に不景気らしく雇ってくれる所など無かった。

 最後に一つユウキは最終の切り札を使う事にした。

 ギルド、あそこなら何とかなるのでは無いだろうか。

 最悪、ギルドの仕組みを理解し依頼を受ければいい。

 異世界ならではの仕事探しだ。

 ユウキが入ると相変わらずそこには沢山の女性おばさんの姿が見えた。

 ユウキは視線を集めながら、ギルドのカウンターへ向かった。

 「すいません、ここで働きたいんですけど」

 これを何度言ったことだろう。

 どうせ同じ、返答だろう。

 人は足りてるだとか、今は必要ないなどだ。

 顔に汚れがついていた野宿時など相手にさえしてもらえない。

 ユウキは答えを待った。

 「はい、分かりましたどうぞ、こちらへ」

 ユウキはその言葉を聞き、一瞬状況が呑み込めなくなった。

 「えっ…本当ですか!!」

 はじめての演出だ、ガチャならもう星5は決まったも同然。

 ユウキは男性の受付嬢に付いていきある部屋に通された。

 そこは豪華な部屋で社長室の様に奥に机がありそこには一人の老婆が座っていた。

 「えっと…」

 ユウキは最初戸惑ったが状況を理解した。

 失敗は許されないと緊張し、しっかりと姿勢を正す。

 「ギルドマスター。

 ここで受付嬢の仕事を希望されている方が来ました」

 受付嬢の男性がそう言い老婆に頭を下げた。

 「ありがとう、仕事に戻ってくれ」

 男性の受付嬢は元気よく返事をするとその部屋を去っていた。

 「それで、君の名前を教えてくれるかな」

 とても威厳のある声でそう聞く。

 「ユウキです。

 多少の読み書きと計算ができます」

 ユウキは少し慌て、聞かれてもいないのに出来る事を口走ってしまった。

 ギルドマスターは頷きユウキの顔を見た。

 「そうか」

 そう頷く言葉を境に急にギルドマスターの声が変わった。

 「儂は、ギルドマスターのプリエ。

 ユウキちゃん、採用」

 突如として威厳のある顔は崩れ老婆はデレつくおじさんの様な表情に変わり言った。

 「それじゃあ早速、着替えてもらおうか」

 ユウキを嫌な予感と悪寒が襲った。

 ユウキはまあ勘違いかもしれないし取り敢えず見ようと、先程の受付嬢に連れられ、そのギルドの更衣室につれていかれた。

 そのロッカーの様な木でできた棚の中に奴はいた。

 これから、恐らく恐怖と屈辱、そして絶望を自分に叩き付けてくるであろう巨悪の権化。

 受付嬢の正装 ミニスカート

読んでいただきありがとうございました。

 m(_ _)m

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