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男女逆転から始まる異世界冒険譚  作者: ペンちゃん
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カルブ死す…?

 「あっおばさん、そのさっきの壺をくださいっす」 

 

 コトミは今、ユウキに取り上げられた幸運の壺なる物を求め、この店まで来ていた。

 

 「はいはい、これだね?

 一つ1金貨ね」

 「あっそうだ、そこのブレスレットも欲しいっす」

 「ああ、これも?

 1銀貨ね。

 合計で1金貨と4銀貨」

 

 「金貨……」

 

 しかしコトミの手の中には銀貨が数枚しかない…。

 それを知らずにその店の店主はニヤリと笑い話を続ける。

 

 「そうだ、お嬢ちゃん。

 この壺もう一つ買うんならこのブレスレットただにしてやるよ?」

 「えっ?

 本当っすか!?」

 

 しかし、やはりお金は足り無い。

 

 「えっえっと…。

 1、2、3、4」

 

 コトミは銀貨を数え始め店主に尋ねる。

 

 「店主今何時でぇい?」

 

 この戦法…昔どこかで聞いたことのある時そば、と言うお金のごまかし方だ。

 

 「ん? ああ12時近くだが?」

 「13,14…」

 

 数をかなり飛ばして数えていく。

 

 「ちょっと…お嬢ちゃん?」

 

 店主の顔から笑みが消えじっとコトミが数えている銀貨に目が向けられた時、住民達の悲鳴が聞こえた。

 

 「あっごめん、ちょっと急ぐからこのタダのブレスレットだけ貰ってくね」

 「ああ……………ん?」


 …

 

  振り下ろされる斧。

 その風をきる音を聞きカルブは死を覚悟した。

 だが…。

 

 ガキン!!

 

 金属と金属が激しくぶつかる音、そしてそのすぐ後に浮遊感がカルブの体を襲う。

 恐る恐る目を開けるとユウキが息を切らし自分を抱き抱えているところだった。

 

 それに気づき安堵する気持ちが溢れ。

 先程まで自分を突き動かしていた復讐心がまるで雪が太陽に照らされ溶けるかのように消えていくのを不思議と感じる。

 

 「ユウキさん!!」

 

 カルブは思いっ切り顔を埋め喜んだ。

 

 一方、剣を受け止めたガルフは苦笑いを浮べ、ヴェルデスタを睨む。

 

 「まったく、出来ればこんな準備が不十分な状態で貴様とは戦いたくは……無かった!!」

 

 そう言い終わると同時に斧を弾きガルフは剣を再び構える。

 敵は複数人、この目の前にいる魔王幹部を倒してもまだその後ろには数十人の兵士。

 おまけに、ヴェルデスタは強いと情報があり。

 戦った事が無いため分からないが一対一でやったとしても当然ながら勝てる保証も無い。

 

 そう思考している間にもヴェルデスタは体勢を立て直し斧を構え攻撃を繰り出してくる。

 

 どうやら、逃してもくれないらしい。

 重い斬撃が襲いかかってくる。

 

 「子狼の肉親か?」

 

 斬撃を弾き返し、ガルフはカルブが無事な事をちらりと確認し再び敵を見据えた。

 

 「私はカルブの姉だ…妹がどうやら世話になったようだな」

 

 ガルフは冷静にそう言い攻撃を反転、今度はこちらから攻撃を仕掛ける。

 噂では今相手している女は復讐心を喰らう化物と聞く。

 おそらく妹を傷つけたと言い、怒りを誘う気だろう。

 

 ガルフは唸り声を上げ攻撃を次々と繰り出していく。

 その戦いは徐々にではあったがガルフが押し始めていた。

 

 しかし…たった一言その言葉が一瞬の怒りを呼び起こした。

 

 「お前の母は私が自らの手で殺した。

 奴の最後は非常にマヌケな物であったな…。

 男とその子を守ろうと武器を捨てたにも関わらず、それも守れず死んだのだから」

 「私の母を侮辱するな!!

 母と父は心優しく!

 そして自らの命を落としてでも妹、カルブを守り抜いてみせた英雄だっ!!」

 

 次の瞬間、力を込めたはずの一撃が簡単に防がれた。

 

 「しまっ…」

 

 ヴェルデスタはニヤリと笑い言葉を続ける。

 

 「お前の母が英雄?

 違うな…人に飼いならされ牙の抜かれたただの駄犬だ」

 

 先程のカルブと同じく吹き飛ばされ壁にぶつけられた。

 

 「かはっ!!」

 

 ぶつかった衝撃で肺から空気が抜け無理に吐き出される。

 ガルフはズルズルと崩れ落ち地面に倒れた。

 

 力が入らない…。

 

 「クソ!」

 

 ヴェルデスタは近づき斧を構える。

 

 「お前も同じ駄犬であったな」

 

 振り下ろされる刹那、再び金属のぶつかる音が響いた。

 

 「お姉ちゃんには一歩も手を出させない!!」

 

 斧と剣が交差し拮抗する中、ヴェルデスタは内心驚きを隠せずにいた。

 

 なぜ、こいつが戦える?

 一度、力を奪ったはずだ。

 憎しみはそう簡単には消えるものでは無い。

 それどころかこの少女は力を増している。

 

 「なぜだ!? 

 どうやってそれほどの力を!?」

 

 力が奪えず、それどころかガルフと自分の力を合わせた状態にも関わらず互角。

 理解が出来ない。

 

 「もう、大切な人を失いたくない!!」

 

 カルブが剣を振るいヴェルデスタを押し退ける。

 

 護りたい想い、今のカルブの心の中にはそれしか無い。

 

 「カルブ…」

 「お姉ちゃん…」

 

 カルブは瞳を涙でいっぱいにさせガルフを見下ろし、差し伸ばすその手を握った。

 読んでいただきありがとうございます     m(_ _)m

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― 新着の感想 ―
[良い点] ガルフに後光がさしてます。
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