誕生祝い(中)
前後編の予定でしたが、後編が長くなりそうなので前中後編の3つにしました。
後編は明日か明後日に投稿したいと思います。
「使える物は、これが初めてだな。」
机の上の箱を眺めながら、フレデリックが言った。
「他には、どんな物があるんですか?」
気軽に聞いたエドワードに、フレデリックは一つの箱を手渡した。
エドワードが箱を開けると、中には馬の蹄鉄が入っていた。
誕生祝いには、果物やお酒などの食品、服にする布などが多い。誕生祝いに蹄鉄?と思い、エドワードが隣に座るダイアナを見ると、彼女も不思議そうな顔をしている。
2人の表情が可笑しかったのか、キャサリンはクスクスと笑いながら教えた。
「王族は、親族に男の子が産まれたら武具か馬を贈るのが、慣例なんですって。」
「産まれたばかりで馬を贈られても仕方がないから、10歳程になって自分の馬を持つ頃に、本物が贈られる。その約束として蹄鉄なんだ。」
フレデリックは、仏頂面で話を続ける。「馬は、父上と兄上から。合わせて2頭だ。叔父上からは盾が、ギルバート兄上からは剣だな。はっきり言って、今いただいても仕方がない物だな。」
フレデリックは、ギルバートの説明にうなずいた。
「そんな慣習があるなんて、知りませんでした。女の子の時も決まっているんですか?」
「その時は、宝石だな。ドレス用の生地ということもあるそうだ。それも、赤ん坊のうちは要らないな。」
「宝石といえば、ステフから石が届いたのよ。」
キャサリンの言葉に、エドワードとダイアナは驚きの顔をした。
貴族令嬢の鑑と言われたダイアナの表情が、こんなにも変わるのは珍しい。キャサリンは、ステフが何かやらかしたのだろうと想像した。
「石って、どんなものだった。。。?」
エドワードが息をひそめて、こっそりと聞いてきた。声をひそめる必要はないはずなのに、エドワードの隣でダイアナも心配そうな顔をしている。
ステフったら一体どんな事をしたのかしら?
「これだよ。たぶん曹灰長石じゃないかな。」
フレデリックが、机の上から長さ3センチほどの、灰色がかった青い丸い石を取ってきた。




