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伝えたい想い(後)

自分が侯爵家を継ぐとなれば、婿としてエドワード様は最適だろう。

学力も性格も、どちらも申し分がない。エドワード様のブランドン伯爵家と我が侯爵家との仲も良好である。何より、今まで妹のキャシーの婚約者候補だったのだ。自分の相手として、これ以上の人はいないと断言できる。


そう考え、ダイアナが口を開こうとしたその時、エドワードが先に話し始めた。

「条件が良いから、貴女に婚約を申し出たのではありません。貴女は僕の初恋の人であり、今でも恋する相手なのです。」


「今後何もなければ、侯爵様と父とを介して婚約を結び、将来は夫婦になるでしょう。でも、それでは政略結婚になってしまいます。僕は、貴女に僕の気持ちを知って欲しかったのです。貴女を慕うからこそ、婚姻したいのだと。」


自分を真っ直ぐに見つめるエドワードの瞳から、ダイアナは目が離せないでいた。かつて婚約者だったギルバート殿下から、こんなにも熱い視線を向けられたことはなかった。

エドワード様が自分を慕ってくださっている、そんなこと考えたこともなかった。エドワード様のことは、キャシーの婚約者という目でしか見たことがなかった。


それなのに、私が初恋の相手ですって?

自分の心臓の音が、ドックン、ドックン、と聞こえる。こんなにも大きな音をさせていたら、エドワード様にも聞こえてしまいそうだ。


しかし、「正しいかどうか」を行動の基準にする自分は、果たしてエドワード様の伴侶として相応しいのか?エドワード様の心に寄り添うなんて、できる気がしない。


そんな不安な気持ちが、ダイアナの顔に表れていたのだろうか。エドワードが、さらに言葉を重ねる。

「貴女は貴女らしくしてくだされば、いい。僕が貴女を支えますから。」



エドワードの言葉にダイアナは胸が温かくなるのを感じた。




これで、番外編の投稿も一度終わりにしたいと思います。

ギルバートの後日談や、3人の令嬢の数年後なども構想はありますが、別の話を先に書こうと考えています。

『魔の森』に関する話の予定です(時代が異なるので、ステファニー達は出てきませんが)。


お読みくださった皆様、ありがとうございました。



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