表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
65/72

呼び名

一度、完結にします。

いくつか番外編として捕捉する予定です。

番外編の投稿は週に3回程度になると思います。


いつのまにか3月になった。強い北風が吹くことが減り、木の芽が膨らみを見せるようになってきた。

この日の放課後、フレデリック王子、キャサリン、エドワードの3人はサロンに集まっていた。


「キャシー、婚約おめでとう。」

エドワードがキャサリンに祝いの言葉を告げる。

先週、フレデリック王子とキャサリンの婚約が正式に発表されたのだ。


「ありがとうございます。エディ様から面と向かって言われると、なんだか照れてしまいますね。」

キャサリンはエドワードを向いて、はにかんだ笑顔を浮かべる。


「来月からはお妃教育が始まるのだって? 頑張りすぎないようにね。」

「はい、無理しないように気をつけます。そういえば、エディ様は殿下の側近として、王城にお勤めになるのですね。」

「うん、そう。まずは、文官としての仕事を習う事になるかな。キャシーよりも僕の方が、学ぶことが多そうだ。」

「エディ様なら大丈夫ですよ。」


「なんなんだ、お前たちは。恋人どうしか?」

2人の会話を聞いていたフレデリック王子が、不機嫌な声を出す。

「2人で甘い会話なんかして、キャサリンは私の婚約者だぞ。」


「拗ねているのかい?」

エドワードがフレデリック王子を揶揄(からか)う。


「拗ねているわけではないが。なぜキャシーはエディと愛称呼びなのに、婚約者である私のことは敬称呼びなんだ? 面白くない。」

フレデリック王子が仏頂面で言うのを、エドワードは珍しいものを見るようにみつめる。


「殿下、すみません。殿下を嫌な気持ちにさせるつもりはないのです。エディ様は幼馴染だから、ついつい気安く話してしまうのです。これからは愛称呼びはやめますね。」

キャサリンがフレデリック王子に詫びるが、王子は首を横に降る。

「いや、そうではない。これからも愛称で呼べばいいさ。2人の仲の良さに嫉妬したんだよ。」


「じゃあ、キャシーは殿下のことを愛称で呼んだら?」

気落ちした様子の2人を見て、エドワードが提案する。


「愛称ですか?」キャサリンはキョトンとした顔をする。

「うん? 父上や母上は、公務外では『フレディ』と呼ぶが、、、」

「では、私も『フレディ様』とお呼びしますね。」

そう言って微笑むキャサリンを見て、フレデリック王子もつられて微笑む。


「君のことは『キャシー』と呼んでもいいかい?」





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ