告白
「私は、婚約者に、キャサリンを望むよ。キャサリンでいい、のではない。キャサリンがいいんだ。」
フレデリック王子がエミリーにきっぱりと告げる。
「だから、あなたが私の気を引こうと頑張っても、意味がない。キャサリンに危害を加えようとするなら、必ず排除する。よく覚えておいて欲しい。」
フレデリック王子はエミリーに険しい目を向けている。
「王城舞踏会で、あなたが何か計画していたという報告もある。陛下もご存知だ。今日は今すぐ家に帰って、クーパー伯爵に全てを話したほうが良いんじゃないかな。」
エミリーの顔色は、血の気が失せて真っ白に変わる。
「で、では、しつれいします。。。」
エミリーは、フレデリック王子の冷たい視線に耐えられなくなり、消えそうなほど小さな声でそう言うと、そそくさとこの場を逃げ出した。
後に残されたフレデリック王子は、キャサリンを見つめた。
今は怒っていないようだが、先程の興奮の名残りで、頬がうっすらと赤い。
その赤色に愛しさを感じる。
ステファニーのことを思い出しても胸が痛まなくなったのは、いつ頃からだったか。ステファニーに会えないのを寂しいと思わなくなったのは、いつ頃からだったか。キャサリンと過ごすことが嬉しいと思うようになったのは、いつからだったろうか。
「私のために怒ってくれて、ありがとう。」
「あんなに声を荒げるなんて、令嬢として失格かしら。」
フレデリック王子がキャサリンに感謝を伝えると、キャサリンは照れ笑いを浮かべた。
「殿下は、どうして、エミリー様と私が争っていると知ったのですか?」
「君の級友たちが、ギルバートを探して、伝えてくれたのだよ。そこに私もいて、駆けつけたってわけさ。君には、いい友達がいるね。」
エミリーによって中庭を追い出される事になったスーザン達が、助けを探してくれたのだ。
「キャサリン、君に伝えたいことがある。」
フレデリック王子は、キャサリンに改めて向き直った。
「どうか、私の婚約者になっていただけますか?」




