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王子様との婚約って大変!  作者: 宿月ひいな
第三章 アスター侯爵令嬢 キャサリン
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怒り

「エミリー様はフレデリック殿下の婚約者になりたいのですか?」

キャサリンが冷静に聞く。

エミリーはキャサリンの質問には答えず、キャサリンを睨みつけている。


「フレデリック殿下に特別な想いを寄せていらっしゃるのですか? 以前はそんなご様子ではなかったのに、今年になって急にですよね?」

キャサリンの問いに、エミリーは、何を当然なことを聞くの?という(いぶか)しげな表情を見せる。


「事情が変わったからに決まっているじゃない。ギルバート殿下が王族を離れて、代わりにフレデリック殿下は王族に残ることになったもの。」

「『王弟殿下の妃』の座は、そんなにも魅力的なのでしょうか?」

キャサリンは小首を傾げて言う。その仕草が、エミリーを苛立たせる。


「何を言っているの!? 魅力があるに決まっているじゃない! 王弟妃として王族に加わることができれば、実家に利益をもたらすことが出来るのよ! 私が選ばれる可能性があるなら、行動に移して何が悪いのよ!」


「はぁ、、、別に悪くありませんが、、、」

キャサリンの気の抜けた言葉に、エミリーのイライラは増すばかりだ。

「こんな鈍そうな子が将来の王弟妃なんて、納得がいくわけないでしょ!? それなのに、お父さまは協力できないって言うし、頼りはお兄さまだけだし。もう!なんなのよ!」


エミリーは一息ついた。少し冷静さを取り戻したのか、声のトーンを落とす。

「貴族の婚姻は、恋愛感情ではなく政治的な結びつきが優先されることぐらい、あなただって知っているでしょう? それに」そこで皮肉めいた笑みを浮かべる。

「フレデリック殿下だって、ステファニー嬢のお転婆が王弟妃に相応しくないと判断したから、手っ取り早く、簡単な方法として、婚約解消をしたのでしょう?」


エミリーが言い終わると、キャサリンの顔は、目つきが険しくなり、頬はみるみる赤くなる。手は拳を作り、怒りでわなわなと震え始める。

「手っ取り早く、簡単、ですって?」

キャサリンは低い声で、普段よりもさらにゆっくりと言った。


エミリーは、今まで冷静に淡々と話していたキャサリンの突然の変わりように、驚きを通り越して恐怖を感じた。

「殿下がどんなお気持ちだったか、勝手に判断しないでください!!」



明日(8日)の投稿は、遅れるか、お休みするかもしれません。

ごめんなさい。

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