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王子様との婚約って大変!  作者: 宿月ひいな
第三章 アスター侯爵令嬢 キャサリン
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攻防の始まり

年が明けて年始休みも終わり、学校の授業が始まった。

フレデリック王子はエドワードと一緒に、エミリーの身辺を探っているようだ。


そんなある日、キャサリンが級友のスーザン達と、中庭に置かれたテーブルでお昼ご飯を食べているときに、エミリーがやってきた。

「キャサリン様、ちょっとよろしいかしら?」

キャサリンが、サンドイッチを頬張ったまま顔を上げる。


エミリーは、キャサリンの周りに座る生徒たちを見回し、眉をひそめる。

「内密の話がしたいのですが、お友達とご一緒なのですね。」

そしてキャサリンを見つめて言った。

「2人で話せる場所へ移動しましょう。来ていただけます?」


キャサリンが返事をする前に、エミリーが歩き出そうとする。

「あっ、待ってください。私たちが移動します。」

そう言うと、スーザンが皆を連れて、そそくさと立ち去った。


私が一言も言えないうちに、話がまとまったみたい。

エミリー様と2人きりで話したいことなんて何もないのに。。。

スーザン達もどこかへ行ってしまうし、はぁ、、、なんの話かしらね。


キャサリンが考え事をしている間に、エミリーはキャサリンの向かいに腰を下ろす。

「前にお会いした時に『フレデリック殿下との婚約はしていない』とおっしゃっていたけど、あれは嘘だったのかしら?」

エミリーが詰問してきた。


「あの時に私がお伝えしたのは、『私の婚約が決まったと父から聞いていない』です。それは嘘ではありませんし、今も父から聞いたことはありません。」

キャサリンがゆっくりとだが、はっきりと答える。


フレデリック王子との婚約については、王子からキャサリンへと提案されたことである。国王が承認したことも、キャサリンは王子から聞いた。父からは「この話を進めていいのか?」という確認をされただけである。

キャサリンが言ったことは嘘ではない。


「でも、王城舞踏会で、王族方と一緒に入場したのを見ましたわ!」

エミリーの口調は強く、反論させないつもりのようだ。


「フレデリック殿下には、現在は婚約者がいらっしゃいませんもの。パートナーとして適当な女性を選ぶことになりますし、それが、たまたま私だっただけでは?」

「適当な女性に、わざわざドレスは仕立てないわ!」

キャサリンの静かな口調とエミリーの激しい口調とが、全く対照的だ。


「それに、第一王子殿下のお子様方とも仲良くしていたし、婚約者じゃないなら、一体、どういうつもり!?」

エミリーは体を前に乗り出し、キャサリンを威圧しているかのようだ。

「ステファニー嬢がいなくなってチャンスだと思ったのに、なんであなたがいるのよ!?」



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