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王子様との婚約って大変!  作者: 宿月ひいな
第三章 アスター侯爵令嬢 キャサリン
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王城舞踏会

国王陛下のお言葉の後、曲の演奏が始まる。王族が順にフロアに下りてきて、ファーストダンスが始まる。王族の中で成人していない者は、このタイミングでホールを出る。


アレクサンダー第一王子が、国王陛下に続きフロアに下りようとフレデリック王子とキャサリンの前を通った時、ぼそっとフレデリック王子にささやいた。

「頑張れよ。」

第一王子妃は、声を出さずに唇だけを動かして「待ってるわ」と言った。


キャサリンには2人が何を言っているのかよくわからなかったが、フレデリック王子には伝わったようで、王子は2人を軽く(にら)んでいる。

そして、周囲にバレないように小さな息を一つ吐くと、キャサリンの前に左手を差し出す。


フレデリック殿下の手、エスコートする時の形よね? もしかして私たちも踊るってこと?殿下はまだ成人前だし、私は正式な婚約者じゃないから、踊らなくてもいいって言っていたはず。

でもここで、私が殿下のお手をとらないと、かなりまずいわよね、、、って、迷っている場合じゃないわね。。。


キャサリンはフレデリック王子にエスコートされて、フロアに下りた。国王夫妻、第一王子夫妻はすでに踊り始めており、キャサリンたちもダンスに加わる。


踊り始めてすぐに第一王子妃と目が合い、にこりと微笑まれた。

そっかぁ、ダンスフロアで待っているってことなのね。キャサリンは諦めと似た気持ちを覚えた。


「打ち合わせをしていなくて、すまない。」

フレデリック王子が、周囲にわからないように、あまり唇を動かさずに言う。

「踊らない予定だったので、とても驚きました。」

キャサリンもき、出来るだけ唇を動かさないように気をつけるが、なかなか話しにくい。


「ここで踊るかどうかは、私とキャサリンとの間柄がどの程度なのかの指標になるから、直前まで迷っていたんだ。ファーストダンスを踊れば、非公表とはいえ陛下にも認められた婚約者として、皆に認識されるからな。」







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