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村人、仲間が増える?

 アルモニア樹海奥


 鬱蒼としげる樹木の中、その一角にそれはあった。


 それは太い木の上に作られたいわゆるツリーデッキ、頑丈に作られたそれは五人くらいが乗れるほどの面積しかないがその強度は、大の大人が十人乗っても壊れることはないほどしっかりとした作りになっていた。




 そんなツリーデッキの上には現在人が乗っていた。その人物は


「何でこうなった・・」


 そう言ってツリーデッキ上に置かれた簡易的な作りの座卓に突っ伏す人物、ガロンは疲れた様子でそう呟きある方向を見る。そこには


「はわわわ〜〜!あれがケルベロスの赤ちゃん?!ちっちゃくてコロコロしててかわいい〜♡」

「でしょ〜?♡」


 キャイキャイと、ガロンが渡した双眼鏡を覗きながらケルベロス(幼体)を観察するルールリアとリリスティアの二人を見ながら、ガロンはつい数時間前のことを思い出していた。






 


 冒険者ギルド辺境都市エルドラ支部


 ギルドマスター執務室


 そこでガロンは正座の姿勢のまま首を傾げ目の前の女性。ギルドマスターリリスアーナの提案に頭の上に疑問符をあげていた。

 その後ろでは来客用のソファーに座ったルールリアが前のめりになりながら立ち上がりリリスアーナを見つめ、その隣のリリスティアも同じように立ち上がろうとするが、未だ力が入りづらい体によってソファーに引っ張れるようにして尻餅をつく。

 その際持っていた薬茶が彼女の頭の上にこぼれそうになったが近くにいたティロスが素早く回収し、おかげで薬茶塗れになることはなかった。


「えーっと・・何でリリスティアさんを依頼に連れて行ったら昨日のことが不問になるのですか?」


 ガロンはそう言っておずおずと手を上げながらそう言うと、リリスアーナが机の上で手を組み、答えるように口を開いた。


「決まっているでしょう。これは別にギルドの規則に違反したからと言う罰ではなく、あくまで個人的なことでの罰なんですよ?そんなことにギルドマスターの権限を使うほど私は落ちぶれてはいませんよ。」


 そう言ってリリスアーナは椅子から立ち上がり机を周ってガロンお目の前まで来るとその場にしゃがみ込みガロンと目を合わせると笑みを浮かべながらガロンに向かい口を開く


「ガロンくん。あなたランクアップの方法を知っていますか?」

「え?」


 リリスアーナのこれまでとは脈絡のない言葉にガロンは拍子抜けしたような声をだす。

 そんなガロンにリリスアーナは「くすっ!」と小さく笑うと、いつのまにか近くまで来ていたティロスが説明するように話し始めた。


「冒険者のランクには十段階の階級があります。

最初は『F』から始まり上は『SSS』まで、そして『SSS』以上となると番外として『Z』ランクがあるのですが。これは現在設定されているだけで冒険者ギルド発足から一度も使われていません。ランクはいわゆる目安でランクごとに依頼の難易度がわかるようになっているのです。ただし『Z』ランクは世界滅亡規模の依ことじゃないと出されることはないので頭の隅にできるなら留めておくだけでいいです。・・・脱線しましたね。それでランクアップの方法なんですが、ほとんどのランクは依頼をこなした回数、難易度などで上がるのですが」

「『C』クラスからは最低一回はパーティーを組んで依頼をしないと上がらないの」


 ティロスのセリフを奪うようにそう言うリリスアーナ。そんなリリスアーナにティロスは薄らと青筋を立てるがすぐに眼鏡をクイっと上げ自身を落ち着かせる。

 そんなティロスの隣で立ち上がったリリスアーナは続けるように言った。


「そこにいるリリスティアは昨日言った通り私の妹で、その実力は贔屓目に見ても『B』クラスほどあるんだけれどもね、未だ『E』から上がれないの。」

「え、何で?」


 リリスアーナの言葉にガロンは疑問符を上げるが、すぐにそばに来たルールリアが小声でその理由を教えてくれた。


「あのリリスティアって人『ダークサキュバス』でしょ?『ダークサキュバス』って種族的にも強いんだけれどもいかんせん厄介ごとを持ってきてしまう種族でもあるの。」

「厄介ごとって?」


 そうガロンが聞き返すと今度はリリスアーナが変わるように答えた。


「『ダークサキュバス』は別名『大淫魔』って呼ばれるほど全体的に性に解放的な種族なの。だから種族的に相手を無意識に魅了する力、『チャーム』をもっているの。でっ、それは成長するに連れて自在にコントロールすることができるんだけれども・・・そのリリスティアくらいの年頃はなぜかその力を存分に発揮してしまう癖があるのよ」

「・・・どゆこと?」


 そう言って未だソファーに座っているリリスティアの方を見ながらリリスアーナが恥ずかしいように苦笑しながらそう言うが、ガロンはまだ、わからないでいた。

 するとそんなガロンに顔を赤くしたルールリアがそっと耳打ちをする。


「つまり、パーティー内で・・その・・一晩の仲になると言うか・・何というか」


 そこまで聞いてガロンは理解しバッと後ろにいるリリスティアの方を向いた。

 

「そう、だから『ダークサキュバス』の冒険者は『C』ランクに上がる際には同族同士、もしくは力を制御出来るようになってからパーティーを組むの。だけど現在このエルドラにはパーティを組んでくれる同族も居ないんだけれども・・・・」

「?」


 そこまでいってリリスアーナはガロンの方を向きにっこりと笑うと


「ガロンくん。きみ、リリスティアの『チャーム』平気だったよね?」


 そう言うリリスアーナにガロンは色々と納得した

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