村人、寝ぼける
ちょいエロ(?)っぽいかもしれません
草木も眠る深夜
ガロンが泊まった宿『一時の夢』は辺境都市『エルドラ』でもかなり有名な宿屋である・・・・・悪い意味で・・・
ガロンが止まる201号室。ガロンが眠るベッドとは逆のベッド、ガロンが来た時にはもういた同室の人物が、シーツを被ったまま‘ヌッ’と起きた。
その人物はシーツをそのままかぶった状態のまま足音を立てないようにベッドから降り、‘そろりそろり’忍足でガロンの側まで来るとシーツを薄らと広げその隙間から金色の瞳を覗かせガロンの寝顔を覗き見る。そして
「ふふふふふふ・・・今日はラッキーね♪こんな若い子が来るなんて・・・前来た奴はデブいおっさんだったけどこの子なら『夢』じゃなくても満足できそう。」
そう言いながら自信を覆うシーツをゆっくりと落としていくその人影
‘パサっ’
シーツが全て落ちるとその下からは豊満な胸ときゅっと締まったくびれそして小振りなお尻と見事に女性とわかる特徴が現れたが、それよりも目を引くものがその下から現れた。
それは特長的な羊のようなツノと蝙蝠のような翼が生えており、そしてその肌はまるで夜の月明かりに照らされた海のように青かった。先ほど覗かせていた金色の瞳の周り、通常白目の部分は真っ黒であった。
そんな彼女の服装は恥部を隠す布一枚、いわゆる下着一枚の姿であった。その下着もギリギリまで小さく細くはっきり言ってそう言うお店の人だと思われても仕方がない格好であった・・・まあ半ばあったているのだが。
彼女の種族は『サキュバス』、サキュバスは夢の中や現実で人の気力や男性の精力を食べて生きる種族であり、世間一般的なイメージでは性に奔放な種族と言われている種族である。しかも彼女は普通のサキュバスとは違い性欲の強い、いわゆる『ダークサキュバス』と言う種族である。この宿は各部屋に『ダークサキュバス』の女の子がおり、何も知らない人達が宿屋代だけを見て泊まれば翌日げっそりとやつれるか最悪死にかけることもある。
中にはエルドラの衛兵達に頼み、この宿を摘発しようとしたのだが『ダークサキュバス』は魔法、特に精神に干渉する『黒色』の魔法に長けており衛兵の人たちは幻術にかかったり悪夢を見せられたりとひどい目に度々あってきたので、もはや反抗する気力もなくそのせいでか、住人も寄り付かなくなりこの宿はこの場所にいままであり続けたのである。
そんな彼女は未だ寝ているガロンを見下げながら手を口に持っていき「ジュルリ!」と唾を啜る音をたてながらペロッ!と舌を出すと
「ふふっふふふふ、確か今日冒険者になったって言ってたわよね。いいわー〜、実に初々しいわ〜〜。まだ依頼は受けてないのかしら?受けてたら初めてでしょうね。
クエストチェリーも卒業した日に君のチェリーも一緒に卒業できるなんて、しかもそれが私の手でなんて、お姉さん考えただけでもゾクゾクしちゃうよ」
そう言いながら恍惚とした表情をしながら頬をを赤く染め自分の体を抱きしめながら震える彼女は次の瞬間ガロンに四つん這いで乗りかかる様な体制になると
「そ・れ・じゃ・あ♪ いただきまーす♡」
そうワクワクしたような声でガロンの口に向かって唇を突き出しキスをしようと迫る・・・・が
「うーん・・・寒い」
「へ? きゃっ?!」
突如、ガロンの伸ばされた手がそのまま彼女の手を掴み、そのまま正面からまるでヌイグルミを抱きしめる感じでホールドし、ガロンはそのまま横になる。
「んー〜〜・・・・」
「ちょ、ちょっと離して・・・う・・くっ・・離れない・・」
なんとかガロンのホールドを外そうと彼女は身動ぎするがガロンのホールドはますます強くなっていった。
「くっ!これじゃあ手が出せない・・・・そうだ!」
悔しそうな表情をする彼女だったが何か思いついたのか一瞬笑顔になると
「んべ・・レロ、レロ・・・」
舌を出し薄らと襟元から見えるガロンの肌に舌を這わせていく。ガロンはくすぐったいのかわずかに震え、しばらくすると拘束力もわずかに緩くなると彼女は舐めるのをやめ、逃げようと動くが
「ん・・・」
「な?!」
またもやガロンは腕に力をいれて彼女をホールドした。その時彼女の姿勢は正面向きから背面に代わり両手は自由になったがガロンの手を解くほどの力はなかった。
そんな時
「・・・アイス」
「んきゃ?!!」
『ダークサキュバス』の彼女が頬を赤くさせ、羞恥の表情で小さな悲鳴を上げる。見ればガロンが寝言を言いながら彼女の羽の根元をなめていた。
「んー〜、このアイス・・しんさく?・・・」
「(違う!違う!それはアイスじゃないよ!!)ーーーーー!!!」
両手で口を塞ぎながら悲鳴を上げないように頑張る彼女、しかしガロンは舐めるのをやめるどころか今度は彼女の羽を甘噛みする
「(カプ)」
「ーー?!♡ーーーーーーー〜〜〜〜?!!♡♡」
声にならぬ悲鳴を上げながら全身を小刻みにふるわす彼女。その目は涙目ながらも何処かトロンと恍惚な表情をしており、わずかに見える頬も先程よりも更に赤くなっていた。
しかしガロンの追撃は終わらない。今度はホールドしていた手をそのままの状態でバラバラに動かし指を動かしていく。
「ごちゅうもんは・・マッサージ・・全身ですね・・・」
「(マッサージ?!!頼んでない頼んでない!!だからもうやめ)ふぎゅーー?!!」
そんな悲鳴を近くで上げる彼女だが、一向に目覚めないガロン。
彼女のこの地獄は数時間後ガロンの手が緩むまで続いたが、彼女はそこから自分のベッドに真っすぐに戻るぐらいの体力しか残っていなかったという。
翌朝
「うーん!・・・よく寝た!」
そう言いながら起きて早々伸びをするガロンはまず初めに部屋を見渡す。
「ん?同室の人まだ起きてないのか?」
そう言いながらガロンはベッドから降りると仕舞っていた装備を取り出し着替えると最後に仮面を被り部屋を出た
「意外と居心地いいし、これで銅貨十枚ならしばらく泊まってもいいかもな」
そう呟きながら部屋を出たガロン、そしてしばらくしてシーツを被り寝たフリをしていた彼女がゆっくりと起きると。
「しばらく・・・泊まる・・・・ふふ、ふふふふふふふ・・・・」
そう独り言を呟き急に笑い出したかと思うとバッと顔を上げた。その顔は昨晩の恍惚な表情を更に超えるいわゆる雌の表情をしておりその表情のまま彼女は決意したかのように防音となっている部屋の中で叫ぶ
「絶対に!ゼーーーー対に逃がさない!!あれは!!あの人は!!絶対に私のものにしてやる!!はーハハハハハはハハハハハは!!!」
いけない方向に目覚めてしまった彼女はそう宣言し盛大に笑い始めた
「うん?」
ガロンは宿を出た時、何か悪寒を感じ周囲を見渡した後気のせいだと思い、そのままギルドに向かって足を進めた。




