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PLOTEST  作者: 神木 千
第1章 逢着する僕ら
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番外編 学校案内3

おう、君か、学校見学に来てる言うんは。俺はビンテックじゃ。まぁ、あんまり警戒せんでもらえると助かるのぅ。ん? コイツか? コイツはロイじゃ。俺の使い魔でな、「ヴァリアントクラス」の使い魔なんじゃ。君はまだ発現がないらしいからあれなんじゃが、まぁ、とりあえず知識として知っとるくらいにはしとき。それじゃあ、行こか。ロイはこの子の後ろついて来るんじゃ、いいな?


大広間から入ると少し説明の順番が狂うてしまうんじゃが、まぁそれはこっちで補足していくさかい、あんまり気にせんでくれ。お? よう気付いたな。この廊下えらいボロボロじゃろう? これは盛りのついた使い魔たちがここで争ったり、隊員同士が喧嘩をしたりするからなんじゃ。だから、「アンデッドクラス」の廊下とか「ノースキルクラス」の廊下とかと比べるとちゃっとだけ廊下の幅が広いんじゃ。すれ違う時にあまりお互いを刺激しない、これがヴァリアントクラスの暗黙の了解なんじゃな。ヴァリアントクラスは特に使い魔を野放しにしてる時間が長いもんじゃから、隊員も指導員も管理が大変なんじゃ。


よし、着いたぞ。ここが「大講義室」じゃ。他のクラスと比べると約5倍くらいの講義室じゃな。理由は簡単じゃ。まず1つは「配属されている隊員の人数が桁違い」ということじゃ。そして、もう1つはさっきも話したが「お互いを刺激しないため」じゃ。よく見たら分かると思うが、椅子1つ1つの間隔がもの凄く空いとるじゃろ? お陰様で快適に講義を聞くことができるぞ。俺のロイもなかなか喧嘩っ早い性格じゃから、な?


で、この対面にあるのが「シミュレーション室」じゃ。「ヴァリアントクラス」は他のクラスと違うことが多いじゃろう? そう、「ヴァリアントクラス」には「シミュレーション室」が2種類あるんじゃ。1つは使い魔と共に闘う、ヴァリアント初心者のためのシミュレーション室。俺もまだこっちじゃ。そして、もう1つが「使い魔と融合した者を鍛錬するため」のシミュレーション室じゃ。こっちにはまだ数人しか入っておらんが、使い魔の制御や感情の操作などをする、言わば「冥想室」じゃな。因みにじゃが、完全に融合すると脳を乗っ取られてしまうそうじゃ。それを避けるための部屋という意味もあるそうじゃ。


おっと、少し怖い話をしてしまったようじゃな。まぁ、そう怯えんでくれ。融合せずとも闘う方法はあるんじゃ。もし、君が「ヴァリアントクラス」の使い魔を発現したとするじゃろ?その時は親密度を上げずに過ごすんじゃ。つまりはお互いに干渉しないという手じゃ。ヴァリアントクラス的にはそれは「廃人」と言って、役に立たない隊員なんじゃが、「共闘」を選んで成功した隊員もいると聞く。「融合」がすべてではないんじゃ。そこは安心せぇ。


最後に、ロッカールームじゃ。ここも広いじゃろう? さっき説明した通り、刺激しないためじゃな。此処はどこのクラスも同じじゃ。「練習用装備」しか原則入れちゃあかん。それくらいじゃな。


ところで、君の両親はどんな人なんじゃ? なんや、顔も知らんのか。それじゃあ、本当に発現があるかもまだ未知数なわけじゃな。それはドキドキするのぅ。もしじゃぞ? もし「ヴァリアントクラス」への配属が決まったら、真っ先に俺んとこに来い。もっと詳しいこと教えたるさかいな。


なんじゃ? トレーニングルーム? そんなもんはない。寮で自主的にやるんじゃ。勿論、使い魔にも手伝ってもうてな。なんで、最後にそんな質問するんじゃ。君、俺のこの腕見て物言うたじゃろ? ええねん、ええねん、気にせんとき。俺の腕は「ロイの力」でもあるんや。親密度をあげとる証拠じゃな。そこんところ、詳しいことは君が俺のもとに帰って来た時に話したるわ。


ほいじゃあ、次はお調子もんのカウルって子が来ると思うから。下駄箱前で待っとき。


いい発現の報告、待ってるさかいな。それじゃあな。



番外編 学校案内3


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