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PLOTEST  作者: 神木 千
第1章 逢着する僕ら
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番外編 学校案内2

君、待った? ごめん、ついさっきユークから聞いたんだ。僕は輪。鞘浪輪だ。よろしくね。「アンデッドクラス」の案内をしろと言われたんだけど、「アンデッドクラス」のことほとんど聞いたみたいだね。残るのは研究棟くらいだし、まぁ、ゆっくり行こうか。ついて来て。


この廊下にある照明はすべて使い魔に害がないように優しい光になっているんだ。アンデッドクラスの使い魔は特に光を嫌う種が多いから、そういった配慮があるんだよ。でも、僕の使い魔はこれ、炎の使い魔なんだ。だからこの照明は僕らには特に何の意味もないただの照明だよ。こういう少し雑学のいることはユークは紹介しないでしょ? やっぱりね。まぁ、ユークはそういう奴さ。僕が保証するよ。


此処から少し外に出るよ。渡り廊下を通って向こうが研究棟。そう言えば、どうしてこの学校が平屋になっているか分かる? え、これはユークから聞いたのか。意外とそういう話するんだね。はい、此処が研究棟。普段はここで実験が行われているんだ。使い魔をどうするか、とか残酷なことをね。まぁ、僕はしないというか、できない。だから僕も此処に来たのは初めてだよ。実験の邪魔しちゃ悪いし、帰ろうか。不気味だし、近寄りたくないよね。


因みに、渡り廊下があるのはアンデッドクラスだけなんだ。どうしてだと思う? 僕らは「他のクラスと違って異質」だからだよ。まぁ、アンデッドクラスに所属している僕から言ってみれば、どれも異質なんだけど。生々しいことしているから敬遠されているんだ。恐らく、渡り廊下の先にあるあの棟は隔離病棟のようなものだと思う。僕もいけ好かないよ、そんなやり方。


それじゃあもう少し先に行こうか。この先は大広間だよ。たくさんの椅子が置いてあって、他のクラスの隊員と話したり、使い魔と一緒に過ごして親密度を上げたりできるんだ。と言っても、主に「ヴァリアントクラス」が占拠しているようなものなんだけどね。アンデッドクラスの隊員はよく深夜に見かけるね。僕も何度か通ったことがあるんだけど、夜は静かで落ち着くよ。


そして、この大広間には時計塔があるんだ。実はここだけ2階層分の高さになっていて、吹き抜け。天井は強化硝子で覆われていて日光や月光が綺麗だよ。ここで日光浴でもしようものなら時間を刻む時計塔の音で直ぐに夢の国さ。僕は経験者だから、語れるんだよね。


ちなみにこの大広間の奥に小さな食堂があるんだ。そして、食堂の向こうには指導員の寮と隊員の寮があるんだ。因みにだけど、クラスで分割されているのは「講義室」と「対特殊生物シミュレーション室」だけ。あ、あと「研究棟」もそうだね。


何か他に気になることは無いかい? 一応僕の出番は終わった気はしているんだけど。ん? 僕とユークの関係? 何、「アンデッドクラス」の先輩と後輩ってだけだよ。そうには見えないでしょ? 何ならユークの方が先輩にも見えるからね。これ以上のことは君には教えられないね。君がまたこの養成学校に籍を入れたのなら教えてあげなくもないよ。


それじゃあ、次は誰に学校案内するか聞いているかい? 聞いていないのか。この人だよ。すごい腕だろう? この人、ユークのお兄さんらしいんだ。僕も写真でしか見たことがないよ。僕は人と触れ合うのが苦手だから、あまりアンデッドクラスの領域から出ないんだよね。


それじゃ、僕は研究に戻るよ。やらなきゃいけないことがあるから。時計の音でも聞いて日光を浴びながら待っていてよ。直ぐ来ると思うから。


次会う時は君の先輩として、だといいね。



番外編 学校案内2


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