超、長期滞在
※この作品はフィクションであり、専門用語は創作です。信じないで!
「恭子はお見合い結婚したそうです。」「さて、一番年上は何歳でしょう。」「ブーケトスもそんな感じ。」「いっしょに食事をするだけの簡単なお仕事です。」「マグロ係」「七つまでは神のうち」「店長、シフト変更してください。」「たぬきとどくだみ」「むじなとあしたば」「不思議な道具なんかより、あのあおいねこちゃんがほしいと思ったことはないか。」「職業:家政婦」「人見知りだっていいじゃない」「メンズPコート/税込13,200円」「男はどこへ消えたのか」「初乃は夢を見ない」「権助、与平、兵吾」「古井戸の底には何があり」「ギギ」「朝になれ、今すぐに」「かっこかり」の続きです。
お読みいただければ、幸いと存じます。
てめえ、つまり、私が呼んだということか
私は、神(仮)を注視した。
外の雨足が激しくなる。
「呼ばれなければ、好き好んで人の夢に入るわけもない。ああ、変態的思考のある奴なら分からんが。
一応言っておくがもちろん、俺は変態ではない。」
神(仮)の眉が、少し歪む。変態だと思われるのは、心外のようだ。
変態を自称する奴はいない。
否、自信を持って自称する輩もたまにいるが。
「お前は俺を呼んだのだ、
巫として、
"神"と言われている俺を。」
私がこいつを呼んだ
そんなことは有り得ない、なぜなら私は
「間違いなくお前は、"ただの人間"ではない。
疑っているところに水を指すようだが。」
ただの人間に、ただの人間ではないモノを呼ぶことは叶わないということだろう。
咄嗟に私は、自分の手を見た。何の変わりのない、普通の手がそこにある。
仮に私が、巫だとして一体いつ、この神(仮)を呼んだという
そんな覚えは微塵もない
この世界に産まれてから、いや、もっと言うと前世から私に不可思議な力などなかった。不可思議な力、霊感すらありはしなかったしスプーンを曲げたりできるような、超常的能力もなかった。
そんな力があったら、もっと有効活用していることだろう。
特技として披露したり、テレビに出たり・・・。
「ちなみに、俺は呼ばれてから二十余年と経つ。」
それはまた、随分なご滞在期間であろう。
つまり初乃が産まれてすぐ、もしくは"私"が自覚する前の幼少に神(仮)を"巫"にて、召喚したということだろうか。
初乃には、巫の力が存在していたということか。
それとも。
「初乃、という幼女は巫行為によって神と思しきモノ、つまり俺と"お前"を呼んだのだ。」
お前、という言い方に少し引っかかる。
まるで、"私"は初乃ではないような言い方だ。
定期更新、32作目。だと思います
お読みいただきまして、ありがとうございました。