first.battle
一也「おい、ヒロキ、今日は何をするんだ?」
ヒロキ「チッチッチッ、決まってんだろ。
モンスターを倒してレベル上げするんだよ。」
和葉「…病み上がりなのに?」
カンナ「3人とも、無理しないで下さいね?」
一也「大丈夫だ。」
ヒロキ「カンナも店番、頑張れよ!」
カンナ「は、はいぃ!///」
レベル上げの為、俺たちは
草原に行った。
少しでも経験値を積んどかないと、
他にギルドのメンバーが集まらないからだ。
和葉「人、少ない…。」
ヒロキ「ってか…昨日、見たんだけど、昨日までに殺された、HPがゼロになって…この世界から姿を消した人、50だって…。」
一也「…それで、外に出る人がいっそう少なくなった、ってことか。」
ヒロキ「…あぁ、そういうことになる。」
一也「…くそっ。」
ヒロキ「とにかく、この世界で生き延び、ボスを倒す為に、少しでも積もうぜ。」
和葉「そうだね。」
一也「なぁ、思ったんだけど…」
一也「巨大熊多すぎじゃね?」
ヒロキ「…」
一也「ヒーローキー?」
ヒロキ「いや、これは…その…すみませんでした。」
和葉「…まさかこの熊たん達全部倒すとか
言うんじゃないでしょうね?」
ヒロキ「…お、おーう。」
和葉「あーやばいやばい。受け身でも耐えられない、ってー。」
一也「…しゃーねー。やるかー。」
とりあえず周りにいる熊たちを次々に切っていった。
和葉の柔道では出来ないので
物理攻撃しかできない。
一也「和葉!ここは俺たちの領分だ。
和葉は敵を撹乱させるために、ひたすら動き回ってくれ!あそこの丘から弓を打て!
ヒロキ!ヒロキは俺に付いてくれ!
一人じゃ剣が吹っ飛ばされるぞ!
二人で剣を受け、俺が周りの熊どもをぶっ飛す!
剣は2本で計4本でいくぞ!!」
和葉「りょーかい!」
ヒロキ「お、おう!」
これは″ゲーム″だ。
あらゆるRPGを″全クリ″した俺に
こんな″ザコ″、
余裕なんだよ。
ヒロキ「やぁああ〜っ!!!」
一也「くっ…どりゃ!」
戦勢はあっという間に逆転した。
熊はどんどん消えていき、
俺たちの完全勝利だ。
一也「…ふぅ。」
このギルドでの初勝利。
外から見ては嬉しそうに見えないかもしれないが、内心凄く嬉しかった。
和葉「…やった!」
ヒロキ「よっしゃっ〜!」
ヒロキが手を上げてくる。
″パンッ″
一也「この調子で次もやるぞ!」
ヒロキ「だな!」
カンナ「あ、おかえりなさい!」
和葉「たっだいまぁー!」
カンナ「今日はお疲れでしょうから、
ゆっくり休んでくださいね。」
ヒロキ「カンナ〜お茶飲んでいいかー?」
カンナ「あ、はいぃ///クッキー焼いたんですけど食べますか?」
和葉「あ、私も食べるぅ!!!」
カンナ「はいはい。たくさんありますから大丈夫ですよ?」
一也
(なんかこの日常が当たり前になるといいな、
なんて…な。)
この時はまだ誰も思ってなかった。
幸せのあとには
″不幸″がある、だなんて。