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In.games  作者: 夜月 茜
3/7

新たな仲間

怒涛の1日が明け、

草原の中で野宿していた俺たちは

とりあえずギルドに加入するために、

街の中心部へ出掛けた。

人々は皆、絶望感に溢れていた。

無論、笑顔の者は誰も居なかった。


和葉「昨日から何も食べてないと、お腹ぺこぺこだよー。3000エリスあるから、宿屋でご飯食べよう。」


一也「そうだな。腹が減っては戦はできぬ、って言うぐらいだもんな。ご飯食べてから、ギルドに行こう。」


そこで、近くにあった『シャロット西洋料理店』

に入ることにした。


店主「あ、お客さん!いらっしゃいませ!2名様でよろしいですか?」


一也「あぁ。」


店主「お冷お持ちしますね。」


女店主はそそくさと、厨房に入り、

水を持ってきた。

顔立ちが綺麗な女店主は、

俺たちの前の椅子に腰をかけ、

話しかけてきた。


女店主「あ、ゲーム外から転移してきてしまった人ですよね。」


一也「そうなんだよ。あいにく、持ち合わせが無くて、今晩泊まる場所もないんだ。」


女店主「まぁ、それは…。

宜しければですけど、今晩はうちに泊まっていきますか?」


一也「いや…悪いよ。」


女店主「うちもあいにく、お客さんがめっきり来なくなって…。泊まって頂けるとありがたいです。あ、もちろんお代は大丈夫です。」


一也「…ありがとうございます。助かります。」


女店主「あ、申し遅れました。

私、カンナ・シャロット といいます。

気軽にカンナ、と読んで下さい!」


和葉「よろしくねー!カンナ!」


カンナ「はい!」


一也「さすがに無料は申し訳ない。

なにか、手伝えることあるか?」


カンナ「うーんと…。そうだ!!」







一也「武器屋の材料集め?」


カンナ「はい!私の父が、隣の武器屋で働いているんですー。こちらです。」


中にはいると、そこには様々な武器が並んだお店だった。


和葉「草原に鉱石があるの?」


カンナ「はい!鉱石を10個でいいんです。

ただし、モンスターがうじゃうじゃいるんです。モンスターを倒しながら何です…。

大丈夫…ですか?」


一也「分かった。草原の鉱石だろ?初めて行った場所が草原だったからたいしたことない、って。夕方までに持っていく。」


カンナ「ありがとうございますっ!」






一也「じゃ、俺らはギルド行ってくる。」


和葉「あとでね!カンナ!」


カンナ「行ってらっしゃい!」


とは言ったものの、

ギルドの場所が分からないので、

近くの人に聞こうとするが、

皆、警戒してて、

誰もこちらの話には耳を傾けない。


和葉「…やっぱ…殺されるかも、って考えて…みんな、怯えてる…。」


一也「自力で探すしかねーな。行くぞ。」


俺はほんの10分間で鉱石を取り集めて、

ギルド紹介場に向かった。






男1「お前なぁ。まじで殺すぞ。」


男性「ひ、ひぃ〜!!やめてくれっ〜!」




一也「な、なんだ。喧嘩か?」


和葉「か、関わらない方がいいよぉ。」


男1「あ?なんだそこのボクちゃんと妹。

カンけーねーやつはあっち行ってろ。」


一也「いや…惨めに思ってね…」


男1「は?何様だよ。お前。」


一也「大人数で、少数を脅すなんて、

″ダッセー真似″するなー、と思って。」


男1「あん?なんだ、殺る、か?」


一也「一人じゃ、なにも出来ないんだったら、

どうぞ、お仲間でも使ってかかって来いよ。」


男1「おい、お前ら。殺れ。そこのちっこい、

女からだ。」



ざっと10人、か。


俺は、目で敵を睨んだ。




てめーら、わかってないようだな。

和葉は…

″柔道部兼なぎなた部″所属なんだよ。


和葉「やれやれ、困ったのに捕まったねー。

一也。だから言ったのに…

″ホンキ″出しちゃうから関わらない方がいい、って。」


和葉は軽々と男を持ち上げ、

背負い投げを食らわせた。


男3「ぐ、ぐはぁっ!!」


和葉「なにー?その程度の実力で、私に勝てるとでも思った?認めてあげるよ。その根性はねっ!!」


俺の手番なんか必要も無く軽々と倒していったが、どんどん数が増えていき、

和葉の体力も限界に、近づいてきた。


そろそろ、俺の出番、か。


一也「あ、言い忘れてたよー。お兄さんら。

そこの連れは″柔道四段″、″なぎなた部所属″で、

俺は…、″剣道四段″っていうことをね。」


俺は隠し持っていた木刀を取り出し、

周りに群がっていた男どもをなぎ倒した。


男1「くっ…。そんなんで俺らに勝てると思ったのか?くらえっ。」


一也「…和葉っ!」


和葉の後ろから本物の剣がくだろうとしたその時だった。


男1「…かはっ!」


後ろから蹴りが入った。


男1「てめぇ、何者だよ!?」


男性勇者「おーっと、わりーわり、

邪魔だったから蹴っちまったよ。

お、なんだ。やるか?」


そういった瞬間、男どもは勇者に襲いかかった。

だが、勇者は男どもをぶっ飛ばした。


男性勇者「敵と対等に戦う為には、敵と対等な、″実力″を身につけてからこい。次は容赦しねから、な?」


男ども「ひ、ひぃ〜!!す、すみませんでした〜!!!」


男性勇者「ったく〜。これだから裏路地は見過ごせんなー。気をつけろよー。」


男性「あ、ありがとうございました!!!」


男性勇者「礼をいうなら、そこの2人にいいな。最初から助けて貰ったのは2人だろ。」


男性「本当にっ…皆さんありがとうございました!」




男性勇者「君ら…。すげーな!!俺の出番が出るまで待ってたんだけど、やばいな!!

おーっというの忘れてたぜ。

俺、高島 ヒロキっていう。

ヒロキって呼んでくれ!」


一也「俺、一也っていいます。そっちは、

和葉です。


あと、第一、ヒロキさんの方が凄いです…。俺は…和葉を守れなかったんだ…。」


和葉「一也…。」


ヒロキ「…助けられたじゃん。君は、立派な勇者だ。」


一也「…。」


ヒロキ「ところで本題だ。

俺とギルドを組んでほしいんだ!」


一也「俺らと?」


ヒロキ「ああ。君ら、気に入った!

実力もすげーよ!俺と組んでほしい。」


そう言ってヒロキは手を差し伸べた。


一也「和葉は、どうだ?」


和葉「もちろん!おけだよ!」


一也「…ヒロキ…、よろしくな。」


そう言って俺ら二人はヒロキの手をとった。

俺らのギルドの完成だ。

まだ、小さなギルドだけど、

この世界から必ず出てみせる。

この、メンバーで。













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