そんな馬鹿な
夢だったのに。海に行くことが。
決まっていたのに。海に行くことが。
雲さえなければ。私の海が。
広がっていたのに。私の海が。
大きな苦しみ。今度こそ。
言ってやるのよ。今度こそ。
どうしてそうも上手くいかない。
私は海を見たいだけ。
青い色が見たいだけ。
知ってる。私。知ってるの。
一番近い私の海が。灰色だって知ってるの。
向こうに青があるのなら。
途方に暮れているのなら。
それは青だと言うしかない。
星の目線で言うのなら。
灰色だって美しい。
銀河の彼方灰の色。
私はいつも海に行く。
人の知らない。大きな海に。