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灰色魔道士の世界消失(ロストレガリア)  作者: GACKT
第一章、神守学園編
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第26話:万里花の決意

目を開けた途端あたり1面の緑が視界に入ってくる。


「2回戦は森でやんのか…」


ビル群ほどの高低差はないが、視界が開けていないため戦いづらい。


「なんか小学校の頃の遠足を思い出すわね〜!」

「秘密基地作ったりしたよな〜」


高校生の今となっては森に入る機会なんてそうそうないので自然と懐かしい気持ちになる。


ただしアタルは浮かない表情だった。


「お前らは楽しい思い出ばかりかもしれないけど、俺は惨々だよ。森の中なんて」


「なんでよ?」


率直な疑問を問いかけてくる。


「スギ花粉が飛び交う。虫が気持ち悪い!」


「あはは…、まぁ人それぞれだな…」


「おい、あんたら敵が目の前にいるのに余裕だな!」


その場に居合わせた相手チームのうちの1人が話しかけてきた。


「俺達のことなんか眼中に無いってか?黒羽に勝ったからってチョーシのんな!」


「いや別にそういうわけじゃ…」


「せいぜいいきがってろ!ぜってー負けねーかんな!!」


「まぁまぁ、圭ちゃん落ち着いて」


大柄な男が圭ちゃんと呼ばれた男を俺達から引き剥がす。


「ちょ、おい!陸?」

しかし、本人はこちらに近付いてくる。

黒羽ほど大きくはないが、それでも充分高身長の部類に入る。


「すいません。うちの子が」


大柄な男がペコペコと謝ってくる。


「いえ、こちらこそすいません」


紗音と大柄な男子生徒のおかげでなんとかその場は収まった。


『全メンバーがログインしましたのでランダムワープを開始します』


1回戦同様、身体が白く発光し、視界が光で満ちる。



今度のワープ先は、川の近くだった。


『戦闘開始、30秒前』

「黄村さん、敵の探知をお願いします」


アナウンスがなるやいなや万里花が指示を出す。


「探知?」


「1回戦で敵を発見したやつです!早くしてください!」


「あぁ…、あれね。了解!」


キムは、少し離れた場所に立つと精神を研ぎ澄ます。


「聴覚強化300%、識別能力強化!」


木の葉のざわつきや川のせせらぎなどの不必要な情報を削ぎ落としていく。


ピッ。


マップ上に敵の位置を記す青いマーカーが出現する。


敵の位置は川の上流付近フィールドの隅だった。

ちょうどアタル達と正方形のフィールド内で対角線に位置する。


「奇襲をかけてくる気はなさそうだな」


「油断しないでください。遠距離攻撃を仕掛けてくる可能性もあります」


そう言いつ万里花は川の中に入る。


「万里花ちゃん?」


『15秒』


「戦闘開始前の異能(レガリア)の使用はルール違反ではないって、1回戦で知ったので」


そう、1回戦で俺達はワープ後に異能(レガリア)を使って接近してきた相手に奇襲を受けたのだ。


万里花が水面に両手をつける。


「おいおい、マジかよ…」


氷を操る魔道士が水に手をつければもう察しがつくだろう。


『8秒』


「はぁぁぁぁ!!」


両手でそれぞれ魔法陣を形成。

2つの魔法陣が融合し、大きく強力な魔法陣になる。

万里花の周囲の水が一瞬で凍る。


『3…、2…、1…、戦闘開始』


「フリル・ブレリュード!!」


万里花が氷魔法を発動。

川の水が物凄い勢いで上流の方へと凍っていく。


「優くんが見ててくれるなら。優くんの為なら…、私はどこまでも頑張れます!!」


ピッ。


マップ上の青いマーカーの数が3つになる。


「マジかよ…」


(マップの対角線の距離を一瞬で凍らせちまった…)


「仲間で良かったぜ…。ほんと」

「万里花ちゃん凄すぎッ!!」


「行きますよみなさん。進軍です!!」

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