第22話:報告
「お疲れ様でした。助かりましたよ」
モニタールームに戻ると、明石が労いの言葉をかけてきた。
「何かわかりましたか?」
まぁ当然その質問だよな。
実際わかったことといえば、第二魔王候補の手下が来たってことぐらいなんだけどな…。
そういえば、あいつなんて言ってたっけな〜…。
あぁもうっ!あいつがフルネームでうるさかったことしか覚えてねぇ!
「ルシファーの手下のモブだった」
「そうですか…。その他に情報はありますか?」
「えぇっと、………すいません…」
二色がしっかり情報を聞き出してれば…。
「はぁー、まぁいいでしょう。第二魔王候補が何の目的で刺客を送り込んできたかわかりませんが、少し警備を厳重にしましょう」
「それで、さっきの結果はどうだったんだ?」
全ての1回戦が終了し、今は休憩中となっている。
さっきの勝負の行方が気になる。
「それなんですが…、勝ったんですよ、黒羽君に!」
そうか、ついにやったかあいつら!
優人は喜びの表情を隠せずにはいられなかった。
「まぁ、最後に青山さんがやられてしまったのは残念でしたが…」
「今、なんて言った…」
急に優人の雰囲気が変わる。
「えっと、青山さんがやられて…」
「アタルゥゥゥゥゥ!!」
血相を変えて勢いよくドアから出ていった。
「………明石さん、お話があるんですけど…」
「校長と呼びなさい」
「まぁいいじゃないですか〜」
「それで、話とは何ですか?二色君…」
「第一及び第六魔王候補が人間界に潜伏中のようです」
「そうですか…」
明石がにやりと笑う。
「この世界から魔族を消し去るのはそう遠くないかもしれませんね…」




