第16話:水面下の動き
「なかなか面白い事をしますね〜」
現校長、明石透は別室のモニターで試験の様子を見ていた。
「はぁ…、何やってんだあいつら…」
同じく別室で観戦していた生徒会メンバー灰崎優人もため息をつく。
「おや、知り合いでしたか?」
「えぇ、まぁ幼なじみ達です」
「それはそれは!仲がいい友達が多いのはいいことです」
「そりゃどうも」
「なんだ?まだ戦っているのか、あのチームは?」
その部屋にいたもう一人の男子生徒が嫌味ったらしく言う。
二色謙也。
優人と同じく一年で既に生徒会に入った超エリート。生徒会序列は優人に次いで5位。
「そこら辺の雑魚とは違ってあいつらが戦ってんのは、次席の黒羽だ!当然だろ」
「だけど、こっちは主席の赤神と転校してきた許嫁様がいるんだろ?あとモブみたいな奴も」
「調子のんな!後で潰すぞ?」
「あはは、怖い怖い」
同じ生徒会メンバーのくせに仲の悪い二人に今度は明石の方がため息をついた。
ビー!ビー!…
「「「っ!!」」」
突然のサイレンに三人の表情が一変する。
「外部からの侵入者か?」
「魔族でも攻めに来ました?」
「…どうやらそうみたいですね。あぁこんな時にすぐにトラブルを解決してくれる優等生が二人ぐらいいれば…」
明石はわざと困った表情をしてこっちをチラチラ見てくる。
「行ってやるから、その茶番をやめろ」
「校長、軽くウザイですよ」
「え…、なんかごめん…」
本気でいじけんなよ!
それでも大人か!?
「1年生にこの事態を知られてはパニックに陥るでしょう。なるべく穏便に頼みますよ」
「あぁ」「はい!」




