ジキル博士とハイド氏
ロバート・ルイス・スティーヴンソン氏の小説です。
今回『ん?ジャンルとか言わないの?』と思っている方が多いでしょうから
予め言っておきますと今回はジキル博士とハイド氏そのものと
ジキル博士とハイド氏を原作とした二つの作品に関しての批評です。
まずは原点の『ジキル博士とハイド氏』。
この小説の主な視点は弁護士のガブリエル・ジョン・アターソン。
ゼルダの伝説の操作キャラがリンクの様に
この物語はアターソンの視点で動く、 即ち彼が主人公と言える。
作品としては読みやすく子供にでも分かり易い、 実際に私が読んだのは子供の頃で
その頃読んでも分かり易く面白い。
私が一番心惹かれたのはアターソンが親戚のリチャードと散歩するシーン。
ここが一番心惹かれた、 この二人が死ぬほどつまらなそうに散歩するのに
散歩の予定を最優先するという点がとても好ましい。
ここからリチャードが出会ったハイド氏の話等が展開すると言う流れは素晴らしい。
因みにアターソンがジキル博士とハイド氏が同一人物だと知るのは
ジキル博士の書置きからであり、 ジキル博士が生きている間はハイド氏=ジキル博士
と言う事は想像すらしなかった。
事前情報無しでは流石にこんなトチ狂った事は想像すら出来ないだろう。
現にアターソンとジキル博士の共通の友人はジキル博士の変身を見て
心が病んで病死してしまった、 この時の挿絵はかなり衝撃的だった。
おススメポイント
★★★★☆
二重人格の代名詞とも言われているだけの事はある、 名作。
次に紹介するのは『ジキル博士とハイド氏 ─まんがで読破─』
タイトル通りの漫画版です、 しかしながら色々と酷い。
まず散歩のシーンが省かれており、 これが一番の酷い場面、 一番大事なシーンを削るな。
次にハイド氏は実在の人物とジキル博士と別に存在しており
イケメンである、 原点の不細工な小男と言う設定は如何した?
原点でハイド氏に殺された人物が彼を逮捕しようと試み
ジキル博士が返信したハイド氏に殺される。
この男性は原点では被害者の筈なのにやたら悪人として書かれる。
ついでにリアルハイド氏もジキル博士変身ハイド氏に殺される。
最後にハイド氏の遺言を見たアタソン(何故かアターソンから名前が変えられている)が
浮気している妻と浮気相手を襲撃して終わり。
原点に色々足し過ぎて可笑しいだろ、 と言わざるを得ない。
何だコレ。
しかしながらアターソンとジキル博士の共通の友人がジキル博士の変身を見る件は
割と高評価だった、 だが全体的に酷い。
おススメポイント
★★☆☆☆
漫画だがちゃんとやって欲しい。
最後に1931年のモノクロ映画版の『ジキル博士とハイド氏』。
試聴しようとしましたが最初の数分で心折れた。
アターソン不在と言うゼルダの伝説でリンク不在と言う超絶理解不能な試み。
更に善と悪の魂が二分しているというジキル博士の講義。
二重人格をそう言う風に解釈しているのか?
1931年では精神病に理解が無かったのか、 残念に思うが
ジキル博士に婚約者が居ると言う謎設定、 救貧病院等の件も挿入され
原作との乖離が激しい、 ハイド氏も醜いがこれは猿人チックで
ちょっと変だろう、 と思う。
最初の数分で心折れてしまったので採点はしないが個人的には
★1にしたい作品。
ここまで見ていて原作との乖離が如何しても許せない原作過激派みたいになっているので
原作を読んだ事の無い人は是非とも原作を読む前にリメイク版を見て
感想を書いて欲しい、 正直偏った見方だと思う。




