三月十三日 金曜日
受験生 お守り揺らし バス降りる
じゅけんせい おまもりゆらし ばすおりる
リュクを背負う人が、バスから降りてきます。
段差の大きなステップから、ぽんぽんと人が出て来ては、同じ方を向いて歩き始めました。
八時前、この通りに、列ができるのは滅多にないことです。
私は、首を傾げ、彼らの歩幅に合わせ、ついていきました。
前の人の紺色のリュックが、私の目の高さにありました。
左肩に近いところに、桃色の真新しい布がぶら下がっています。
それには、可愛らしい梅の模様が見えました。
「お洒落だな、春らしいな」
銀色の文字が、真ん中に刺繍されていました。
「合格祈願」
この四文字に、私の目が見開きました。
私は、受験生の中にいたのです。
曲がり角に、白い紙が貼られた立札がありました。
黒い字で「受験会場はこちら」と書かれ、赤い矢印がついています。
この先は、真剣勝負の場です。
彼らは、突き当たりを右へ進みました。
私は左へ外れます。
「ふーっ」と息を吐きました。
緊張と、不安が混ざり合った沈黙は、重いものでした。
「分岐点って、面白いな」
それぞれの、時と場所の奇妙な交差です。
英語
student for exams
swinging a good luck charm
stepping off the bus
中国語
考考生
摇着护身符
走下公交车
スペイン語
el estudiante
mueve su amuleto
baja del autobús




