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84.33  作者: ゴリラ
2026 三月
46/67

三月一日 日曜日

素の我の 雪囲とり 息をする 

すのわれの ゆきがこいとり いきをする


昨日、夕暮れ、実家へ行きました。

庭の風通しが良くなっていました。

私は陽気に誘われて、足を敷石に置き、一歩ずつ進みました。

カビが生えて深緑になった板が、背丈の低い草木を覆っていたはずです。

雪囲いが取り払われた所に、挨拶するように立ち寄りました。

萎れた長い葉を地面に寝そべらせるもの、茶色の茎だけになって直立するものが姿を見せます。

「いやー、結構、辛かったよ」

「ほんと、マジ寒かったしねー」

植物たちの交わすコトバが、そこかしこに聞こえるようです。


私は、泡のような笑いが込み上げてきました。

冬を耐えた瀕死の姿が底抜けに明るかったのです。

それから、一瞬、深く考えました。

それは、体感で長く感じるひと時でした。


私のココロの中にも、雪囲いの下で生きているものがありました。

囲いの木材が朽ちて腐ってしまっても、気づかないふりをしました。

異臭が鼻につくと、更に覆って隠しました。

そうやって、取り繕って、賢そうに暮らしました。

でも、どうもしっくりこないのです。


ある時、囲いを持ち上げて、隙間から恐る恐る覗き込みました。

それから、思い切って、全てを外しました。

そこには、子どものワタシが立っていました。

眩しそうに薄目を開けて、笑っていました。

途絶えそうな息で、体を震わせています。

「ようやく、みつけてくれたね」

腹ペコだという顔をして、真っ直ぐに見つめてきました。


長いながい、冬の終わりでした。


英語

true myself

taking down the snow fences

a deep breath


中国語

原本的我啊

拆下放雪的栅栏

深深刻呼吸










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