二月二十一日 土曜日
春愉し 郵便バイク 走り去る
はるたのし ゆうびんばいく はしりさる
家の近くのラーメン屋にふらりと出掛けました。
日暮れには早く、外はまだ明るいので、足取りも自然と軽くなりました。
自動ドアにそっと足を置き、店内に入ります。
小さなメニュー表が正面の壁に貼ってあります。
黒のマジックで書かれたお品書きをゆっくりと目で追います。
ネギラーメンには旨そうな写真も添えてありました。
レジの側で注文を考えている間、茹で麺の匂いが鼻につきました。
一人の中年男性がカウンターで半チャーハンを黙々と食べています。
私はようやく野菜味噌ラーメンに決めて、店員さんから食券を受けとりました。
番号は五十五番でした。
久しぶりのラーメンで一気に食べてしまいました。
猫舌ですから、麺を何度も持ちあげ、息を吹きかけます。
最後に、汁に漂うもやしを口に入れ、熱々のどんぶりから赤ら顔を上げました。
握りしめていた割り箸を手から放します。
テーブルの端のティシュを取り、口元にだらしなくついた油を恥じらいながら拭いました。
ラーメン屋を後にすると、郵便バイクが通りを走り抜けて行きました。
きっと良い知らせを携えて、大急ぎなのです。
それは、物事が動き出す瞬間のようでした。
冷えた空気が首元を触るように入ってきました。
あんなふうに、前だけ見つめて走っていけたら、明日の今頃はここにいないのかもしれないのです。
両手をポケットに勢いよく突っ込みます。
そして、腕を大きく振り、コートの裾を揺らしながら歩きました。
「きっと、全てが大丈夫」
そう、何度も呟きながら。
英語
spring joy
a mail bike
speeds away
中国語
春意闹
邮政车
飞驰过
スペイン語
gozo de primavera
moto de correos
se aleja




