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【プロットタイプ】死にたくなる程、駄目かも知れない

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


上手い回答が出来ない人間なので、感想欄閉じてます。

これは読者様の問題ではなく、私の問題。


詳しく知りたい方は代表作の『作品と作者の注意点』に書いてあります。


注意事項2

全てに弱くなっていく。

一度堕ちると、再度元に戻る事は非常に難しい。だから最低でも現状維持。そこから転落する事は許されない。そう思っている。今も、昔も。


「もう、帰んなさい」

其れは机に突っ伏して、背筋を曲げ、息を荒くする私に言われた言葉だった。上司の目は懐疑的だった。このままこの席に置いては置けないと顔に書いてあった。

だから私は霞む意識をそのままに、無理矢理口を開く。

「今、動けないので……あと数分したら、帰ります」

このままじゃいけない。周り皆が働いているのに、此処で突っ伏し続ける訳にはいかない。だから無理矢理顔を上げ、手探りで荷物を纏める。何時も決めている道具の所在は、もう適当だった。気遣える余裕さえない。

そうして何とか鞄に持ち物を纏めた後、ロッカールームに移動した。端の、誰も来ない、誰も見ない、誰も気遣わない場所。そこで必死に呼吸を整える。自分の意思で立ち上がれない。杖が欲しい。支えが……欲しい。

後の事は覚えてない。壁に手を着いて、人目の無いところで蹲り、足を引き摺る様にして、帰った気がする。


鏡花からチャットが入っていた。

――早退します。

ただこの一文。どうやらまた再度振り返したらしい。一度居座ると決めたら最後まで残るのが彼奴なので、相当追い込まれた状態か、周りに止められたか。兎に角、平気では無いことはない。

丁度駅付近にスーパーがあるから、そこでプリンやら、ゼリーやら、何か買って行った方が良いだろうか。そうチャットに送る事にした。

結局返事は無かった。だから適当に病人でも食べられそうな物を買って自宅に着いた。

鏡花は床に手足を放り投げ、ただ朦朧とした意識で天を見上げていた。真上から見下ろす様にして、声を掛ける。

「体調は?」

「死にたくなる程、駄目かも知れない」


もう少し頑張れたかも知れない。そう思ってしまうのは、最初の体調崩れが気の弱さからだったから。『仕事したくない』、『此処、何度考えても分からない』、何時もの弱音だった。何時もならそこから立ち直って、定時まで居座って居られる筈だった。

けれども今日はそこから終わらなかった。動悸が走る。息が荒ぶる。耐えられなくなって、トイレに籠る。顔を上げる事が出来なかった。手摺に縋るばかりで、立ち上がる事さえ出来ない。数分経過しても、何も変わらなかった。倒れそうだった。

――もう、帰んなさい。

――いいえ、まだやれます。

「死にたくなる程、駄目かも知れない」

思いとは違った言葉が出た。けれどもそれこそが私の本心で、嘘偽りない言葉だった。

ここから先些細な刺激で落魄れるのかも知れない。『やりたくない』の一言で過呼吸になるかも知れない。『暑い』という理由で動悸が走るのかも知れない。『立てない』という気持ちで倒れてしまうのかも知れない。其れが何より……。

「怖い……」

もう出社出来なくなる事が、一人で生きていけない事が、ずっと自律神経に狂わされる事が、怖い。

「……プリンとか、ゼリー、買ってきたから、食えるものだけ食え」

生きる為には働かねばならず。

働く為には健康でなければならず。

だったらこれは何時まで続くんだろう。


ストレスに弱くなったな。

仕事が嫌だとか、暑いとか、立ってられないとか、高々そんな事ぐらいで、倒れそうになる。

いざとなれば死ねば良い。よし。


八月ってね、というか夏ってね、私にとっては好きではない季節。

必ず体調崩すから。有給もどんどん減って行くから。

記憶に新しいのは、足の浮腫だったかな。

あれでずっと休みになったのが、今でも根に持ってる。


タッチペン反応悪いな。


何度目になるのか分からないけれど、また頑張らないと。次こそは。最後まで。

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