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第13話

「立ち上げるの? 新しい事務所を?」


ソルは目を見開いて私を見つめた。


「うん。アーティストの健康と権利を守る、全く新しいモデルの事務所。今、その準備をしてる」


私はまっすぐに言った。

ハンファグループの中で音楽関連の資本を集め、旧来の芸能構造を打ち破る“芸能レーベル”を立ち上げる――それが私の計画。


「俺が、そこに……?」


「うん。ソルが最初の所属アーティスト」


彼は驚いたまま黙り込んだ。

目の奥が揺れている。



「俺なんかが、そんな……」


「“俺なんか”って言わないで」


私は語気を強めた。


「未来のあなたは、誰もが憧れる存在になるの。だけどその光の裏で、誰にも助けられなかった。だから今度は違う。私は、あなたを守る事務所を作るの」



数日後、父が私を呼び出した。


「ユナ、お前が動いてる新ブランドの件。正式に子会社化することにした。社名も決まったぞ」


「社名……?」


「“SOLAREソラレ”。君が企画した“太陽”のコンセプトを採用した」


私は言葉を失った。

“SOLARE”――それは、未来でソルが最後に歌った未発表曲のタイトル。


なぜこの名前に?


もしかして――これも、“私が戻ってきたこと”による変化なのか。



「ユナ」


父がふいに真剣な顔になった。


「この事務所、お前に任せる。社長の名義は私が持つが、実務はすべてお前が指揮しろ」


私は、喉の奥で息を呑んだ。


これが、私に与えられた“責任”――未来を変える力。



夜、ソルにそのことを伝えると、彼は静かに笑った。


「なんか、すごい話になってるな。でも……楽しみだよ、ユナ。君となら、きっと面白いことができる」


その笑顔が、少しだけ“運命を越えた希望”に見えた。


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