思い出す
春に出会い、小さな蕾やちいさい手
側で微笑むあなたは種を握っていましたね
微かに冷たい土をあたたかくしていました
それが彼女の優しさでしょうか
夏に遊び、咲いた花も靴で蹴る
遠くに駆けあなたは笑顔を分けていましたね
わずかな壁も乗り越え崩していました
それが彼女の勇気でしょうか
秋に友へ、伸びた草や交わした小指
私とあなたは側にいることを願いしましたね
暗い道のさきを明るく照らしていました
それが彼女の夢でしょうか
冬に別れ、枯れた葉や涸れた涙
そこにいるあなたは私に微笑んでいましたね
そして静かに一歩を踏み出していました
それが彼女の背中でした
四季に再会、
彼女はまだ私の隣にいるでしょうか
私の隣はまだ彼女の匂いがある
彼女はまだ私の隣にいる気がします
私の隣はまだ彼女の微笑む場所
何も失わない過去を創れなくても
何かを得られる未来をいきたい
そんな私は走りました