表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

26/31

二つの可能性

 ガルナタタンの目の前に、ステータス画面が現れる。

 しかしそれは、俺が見慣れている自分のステータスとはかなり見た目が違っていた。


 ◆◆◆ガルナタタン◆◆◆

 ◆愛称:ガルちゃん

 ◆種族:レキ=バクシーの眷属(ワーウルフ)

 ◆可能性α:0(±2)

 ◆可能性β:0(±2)


 これだけ、だ。


「なんだこれ。愛称? それと、可能性アルファと可能性ペータって……? どうやら眷属強化でポイントを割り振るのが、この二つみたいだけど」

「ばぅ?」


 俺が首を傾げて唸るのにあわせて、ガルナタタンも同じように首を傾げている。

 どうやらガルナタタンもこれが何かはわからないようだ。


「全く判断がつかないな。ただ、どちらか片方にとりあえず2ポイントとも振るのは決定だな。じゃないと変化があったとしてもどっちの効果かわからないし──ガルナタタンはどっちがいい?」

「ばぅ!」


 びしっとその短いお手々でステータス画面を指し示すガルナタタン。その爪先は可能性βを向いている。


「こっちがいいの?」

「ばぅばぅ!」

「よし、それなら」


 ◆◆◆ガルナタタン◆◆◆

 ◆愛称:ガルちゃん

 ◆種族:レキ=バクシーの眷属(ワーウルフ)

 ◆可能性α:0

 ◆可能性β:2


 ステータス画面が変化する。次の瞬間、ガルナタタンの体が光りだす。


「うわっ」


 俺が、思わず手で顔をおおってしまうぐらい眩しい。しかしその光もすぐに消える。


「今のが、眷属強化? ガルナタタン、大丈夫か?」

「ばぅばぅばぅー」


 どことなく嬉しそうなガルナタタンの鳴き声。

 楽しげにその場でぴょん跳ねている。


「それでどう強化されたんだ……」


 俺は屈みこんでじっくりとガルナタタンを観察する。


「んー。よく見ると毛並みの艶が増しているような……手触りも少し良くなって……?」


 俺が呟きながら撫でていると、ブンブンと首を横に振るガルナタタン。


「ばぅぅー」


 いつもより低重音のガルナタタンの鳴き声。次の瞬間、ガルナタタンの真横、空中に拳大の火の玉が現れた。


「ま、魔法?」

「ばぅ!」


 そうですっとばかりに鳴くガルナタタン。ふわふわと火の玉も、肯定するように空中で縦に揺れていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ