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序列

「レキさんが、シスター・リニに声をかけられたのは、私に肉串をくれた後、で間違いない?」


 ミリサリサの確認。俺はそれに頷く。


「ああ、確かにそうだな」

「あの時、視線を感じた。誰を見てたのかはあまりはっきりとしなかった。でも、今の話を聞くと、たぶん教会の手の者」

「いや、ちょっと待ってくれ、ミリサリサさん。リニがそれを指示していたと言うのか?」


 テルトナがリニをかばうように話に入ってくる。


「それは、わからない。でも情報共有はしたはず。その後のレキさんの勧誘の積極的な感じからして、きっとそう」

「あー。とするとガルナタタンのこともみられてるのか」


 俺はそのときの自分の行動を思い返しながら呟く。


「ガルナタタン? なんだそれは?」「ガルちゃん、かわいいんっすよー」


 不思議そうなテルトナとミリサリサ。二人になんの説明にもならないことを伝えるシジー。

 俺は二人にも紹介しておくことにする。今後、一緒に迷宮に潜る時にともに戦うことになるだろうから。


「わかったよ、ミリサリサ。情報ありがとう。俺も、教会にはかなりの情報を把握されている想定で動くことにする。それと、こいつがガルナタタンだ」


 俺の影から飛び出してくるガルナタタン。


「ばぅばぅ」


 皆に挨拶するように吠えるガルナタタン。尻尾がフリフリしていてかわいい。


「これは、愛らしいな」「そうっすよね! でもレキの兄貴にばかり懐いているんすよ。なかなか触らせてくれないっす」「……」


 楽しげに話すテルトナとシジー。ミリサリサはなぜか無言だ。いつの間にか先程まで組んでいた腕をだらんとして、手のひらを前に向けている。

 そんな三人のところに、とてとてと近づいていくガルナタタン。次の瞬間、ぴょんとテルトナに飛びつく。


「お、どうしたどうした。よしよし」


 慣れた様子で、ガルナタタンをだっこするとわしゃわしゃとガルナタタンを撫でるテルトナ。


「な、なぜっすかー!」


 それを見たシジーの絶叫がうるさい。

 ミリサリサはいつの間にか座り込んでいる。


 なかなかに騒々しい。


「あー。なんだ。みな、うまくやれそうだな。これからよろしく。明日、正式なギルドの発足の前に一度シスター・リニと合流してパーティーとしての動きを確認しようと思う。迷宮の最も浅い層で実地確認でいいかな」

「いいわ」「おっけーっす。ぐすっ」「うん」「ばぅ」


 皆の肯定の返事。

 俺はその場で解散を告げると明日に向けて準備を始めようとその場を後にした。




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