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霊研の探偵さま  作者: とど
二章
29/74

13-2 杞憂であれば良かったのに


 一日入院してから鈴子は退院し、それからは深瀬の言う通りにできる限り一人にならないようにと配慮がなされるようになった。


「ごめんなさいね英二君、あなたも忙しいのにこんな買い物にまで付き合わせて」

「いえ、これぐらい何の負担にもなりませんから気にしないでください」


 買い物袋を手に持ち彼女の隣を歩いている英二は、申し訳なさそうにしている鈴子に大丈夫だと笑いかける。

 もし犯人が無差別の通り魔だったのなら杞憂で終わるが、彼女個人を狙ってきたと考えるのならば用心に越したことはないのだ。


「それに、もし鈴子さんに万一のことがあれば霊研の連中だけじゃなくて深瀬の胃が死にますよ」

「深瀬君は少し心配し過ぎな所があると思うのだけど」

「そう思うんならもう少し安心させてやってください。でないとあいつ、今の白髪を通り越してそのうち禿げますよ」


 深瀬は何かにつけて鈴子のことを気にしている。この前病院に駆けつけたのだってそうだが、とにかく鈴子が髪の毛一本でも損なわれるのを恐れているようである。

 その理由は以前酒の席で彼が零したのを聞いたことがあった。彼女の亡くなった夫と長いこと腐れ縁であったこと、そして彼の死に際に鈴子を託されたのだと言うことを。



『尚が……あいつがですよ? あいつが私に透坂さんを頼むと言ったんです。彼女を何よりも愛して、他の男なんて絶対に近付けなかったあいつが、私に頼んだんです。無碍にできる訳がないでしょう?』


 鈴子の夫のことは、彼女のことを知るよりも前に聞いていた。とにかく恐ろしい男だとしか言って来なかった深瀬だったが、その時ばかりは少しだけ嬉しそうに微笑んでいたのを英二は覚えている。



「あいつとは結構長い付き合いなんですよね」

「ええ、大学で夫と知り合った時だったから。あの人、友人が深瀬君しか居なかったからよく彼の話をしてくれたのよ。魔法が使える親友だってね」

「魔法ね」

「ふふ、可愛い表現よね。うちの人は超能力なんて使えない一般人だったから」


 けれどその男の最愛の人もまた超能力に目覚めた。鈴子の超能力は確か夫が亡くなってから発現したものだと聞いているが、その前に深瀬に頼み事をしたのは果たして偶然か、それとも……何かを悟っていたのだろうか。

 買い物袋を揺らしながらそんなことを考えていた英二は、そういえば自分もその深瀬に頼み事をされていたのだと思い出した。


「鈴子さん、話は変わりますが……少し尋ねたいことがありまして」

「改まってどうしたの?」

「櫟のことで……あいつの能力について何か聞いたことはありますか?」

「櫟君?」


 鈴子は霊研で二番目の古参だ。英二よりも長く彼と一緒にいる鈴子ならば英二の知らないことを知っているかもしれない。本人に聞くよりも良いだろうと尋ねると、彼女は口元に手をやって少し考えるような素振りを見せた。


「そうねえ……確かに少し不思議な力ね」

「俺は調査室で心霊部門の知り合いも居ますが、ああも簡単に霊を消し去っているやつは中々お目にかかれない。……それと、あいつは元々素手で戦っていましたか?」

「ええ。私が知る限り、櫟君が武器を持っていたことは無いわね。あまりそういう現場に出ないからはっきりとは言えないのだけど」


 以前一度コガネが櫟に戦いの指導を頼んだことがある。その時に英二はその様子を見ていたのだが、彼は恐らく本来武器を持った戦い方をするのではないかとその時から予想していた。体術との指導と比べてあまりにも手慣れ方が違っていた。勿論素手でもそれなりに戦えてはいるが、噂に聞く刀を持った愁のように武器を持てばその何倍も強くなるはずだ。


「そういえばこの前病院で鈴子さん言ってましたよね。あなたの目から見て櫟は特別だって」

「ええ、或真君と同じでね」

「つーことは、或真のあれと同じぐらい規格外ってことかよ……」

「そうね、普通の人間が持つような力ではないってことは分かるわ」


 或真と同じくらい規格外だとすれば、一見して飄々としている櫟は本当にただ者ではなくなってしまう。普通の人間じゃない……いや、そもそもあの男は本当に人間か?

 深瀬が戸籍を調べたと言っていたが、それだって偽造されたものだったとしたら。


「でも急にどうしたの? 英二君、今櫟君と喧嘩してるんでしょう?」

「……別に喧嘩ではありませんよ。少し意見が割れて言い合いになっただけです」

「イリスちゃんのことで?」

「千理から聞きました?」

「違うわ。でも英二君がそんなぴりぴりした雰囲気になるの、大概イリスちゃんのことでしょう?」


 深く考え込んでいた英二の思考に、不意打ちで鈴子の横やりが突き刺さって現実に戻された。彼女は千理とは別のベクトルで鋭い。千理は理論的に考え、鈴子は周囲の空気を読み取るのが上手い。


「霊研を辞めさせるかどうかで少しね」

「ふうん。英二君はイリスちゃんをどうしたいの?」

「そりゃあ勿論、霊研なんて辞めて普通に暮らしてほしいだけです。危ないこととは距離を置いて、普通に学校で勉強して友達と遊んで、本当に普通の子供で居てほしいんですよ。兄貴だって絶対、それを望んでます」

「でも、イリスちゃんは望んでいないのよね」

「……鈴子さんもそっち側ですか」

「そういう訳ではないわ。ただイリスちゃんは嫌がって抵抗するだろうなって思っただけ。実際そうでしょう?」

「……」

「英二君?」

「まだイリスには言ってません」


 気まずそうな雰囲気で英二が目を逸らす。それを感じ取った鈴子は「駄目よ、英二君」とまるで子供を諭すような口調で彼を叱った。


「どんなことにせよ本人そっちのけでそんな大事なことを決めては駄目よ。ちゃんとイリスちゃんと話し合わなくちゃ」

「……結局、そうなりますよね」

「どうしてあの子に直接言わないのかしら。イリスちゃんが英二君の心配をないがしろにして霊研の仕事をするのも、英二君がイリスちゃんに何も言わずにそれと辞めさせようとしているのもどっちもどっち。子供は守られるべきだけど、ちゃんと守りたいと思っていることを理解されなきゃ意味が無いわ。きちんと理由を説明して、お互いの気持ちをはっきりさせて一緒に考えていかないと」

「……」

「出来ないの?」

「出来ませんよ、俺はあいつの父親じゃない。……最初に霊研に入るって言い出した時にイリスが言ったんです。『父親でもないのに口出ししないで』って」

「それは」

「確かにそうですよね。俺はあいつの父親どころか……俺が兄貴達を見殺しにしたようなものですから。あの日、本当にどうでもいい理由で寄り道なんてしなければ、あの二人は助かったかもしれない」


『父親でもないのに口出ししないで』

 櫟に、鈴子に話し合えと言われる度にあの時の言葉が英二の脳裏を過ぎった。それを言われてしまったら本当に彼は何も言えなくなる。だからこそ一時の気の迷いとはいえ霊研に入ることを止めることが出来なくなったのだ。

 同じように掛ける言葉に迷っているらしい鈴子に、英二はできるだけ軽い口調で「気にしないで下さい」と言った。


「この話は不毛なのでひとまず置いておきます。それよりも、さっきの話に戻しますけど他に何か櫟の力について気付いたことはありませんか?」

「……うーん、そうねえ。何かあったかしら」

「些細なことでもいいんです。あんまりに収穫が無いと深瀬が過労で倒れるかも」

「あら? 深瀬君からの頼みだったの」

「あ」

「ふふ、あの人も大変ね。……あ、そうそう。そういえば」

「何か思い出したましたか?」

「ええ、前に櫟君が言ってたのだけれど――」

「あ、ちょっと待って下さい」


 話し出そうとした鈴子を何故か英二が止める。と、同時に彼は背後を振り向きざまに空いている方の手を勢いよく振り抜いた。

 バキ、と手の甲に固い物がぶつかり、一瞬遅れて汚い悲鳴が響き渡った。

 英二が後ろを見てみれば、案の定彼の裏拳が顔面に直撃した男が鼻血を出しながらしゃがみ込んで呻いている。その傍には鉄パイプが転がっており、英二は面倒そうな顔をしながらそれを遠くに蹴り転がして周囲を確認した。


「何先走った挙げ句やられてんだよ、馬鹿」

「わ、るい……」


 そしてすぐに三人の男が英二達の前に姿を現した。しゃがみ込む男と同様にあまり品の良い姿をしていない――取り繕わず言えばチンピラ染みた男達は、各々鉄パイプだの金属バットだのを持ってにやつきながら英二達を見ている。

 周囲に他に人影はない。あまり人気の無い場所に来るまで待っていたのだろう。他人を巻き込むよりもいいので英二にとっても好都合だ。


「鈴子さん、荷物持ってて下さい」

「大丈夫?」

「ええ。何も心配いりませんよ」

「はっ、おっさん。格好付けてっけどもしかしてそこのおばさんに惚れてんの?」

「すぐに土下座して謝りたくなるぜ、私が悪かったんで許して下さいってな」

「……こんな低俗な連中今時居るんだな。おっさんの俺でも時代遅れだと思うわ」

「あんだと? 舐めやがって!」


 鈴子に買い物袋を渡した英二は武器を振り上げて向かって来る男達を見て一つ溜め息を吐きながら徐に腕を持ち上げる。

 まず最初、真っ先に正面に鉄パイプを振り下ろす男の腕を掴み、勢いをいなして体ごと放り投げる。そしてその隙を狙って攻撃してくる男に足払いを掛けると、倒れ込みそうになるそれを掴んで最後の一人の攻撃の盾にした。味方を攻撃してしまって驚く男の胸ぐらを掴み、腹に膝を入れるとあっという間に道路に沈み込んだ。


「い、一旦逃げろ! こいつやべえよ!」


 最初に裏拳を決めていた男が真っ先に逃げ出す。他の男達も釣られてばたばたと逃げて行くが、最後に膝蹴りを受けた男だけは逃げ出さないように英二が取り押さえた。


「一人いりゃあいいからな。お前には残ってもらうぞ」

「っこの、っていたたたたた!!」

「無駄な抵抗すんなよ」


 道路に押さえつけて腕を背中側に回してやると、体が固いのか男がすぐに悲鳴を上げた。背中に乗るようにして男を拘束すると、英二は少し離れた場所に避難していた鈴子を振り返った。


「鈴子さん、警察に……いや、深瀬のやつに連絡してもらえますか」

「もうしたわ」

「お、早いですね」

「深瀬君にはボタン一つで緊急の時に繋がるようにしているの」

「あいつも流石だな……」

「ふふ……英二君、助けてくれてありがとう。とっても格好良かったわ」


 柔らかく微笑んだ鈴子が英二に近付いて来る。拘束しているとはいえ危ない、と言おうとしたが彼女はそれを制して「忘れないうちに話の続きをしておくわね」と男に触れない位置で足を止めた。


「話……あ、そうだ櫟の」

「ええ。ずっと前に私も櫟君に同じようなことを尋ねたことがあったのだけどね、その時に彼、自分の力は自分の物じゃないって言ってたの」

「自分の力じゃない……?」

「そう、貰い物だって言ってたわ」


 貰い物、あの人外染みた力を誰かから譲渡された。ならばその誰かは何者で、何故櫟にそんな力を渡したのか。

 更に疑問が増えてしまって考え込んでいると、手に力を込めてしまったのか再び男の悲鳴が響き渡り、それとほぼ同時にサイレンの音が遠くから聞こえてくるのが分かった。




    □ □ □  □ □ □




「で、これが捕まえた男の資料だ」

「どれどれ……」


 場所は霊研に移り、千理は英二が警察から持ってきた資料を受け取ると素早くそれに視線を滑らせた。

 鈴子が退院して殆どすぐに起こった二度目の襲撃。その時点で彼女自身を狙った犯行だということははっきりしたが、問題はその実行犯だ。


「なるほど……ヤクザですか」

「話が大きくなって来たな」


 千理の隣で同じように資料を覗き込んでいた愁がぽつりと感想を零す。英二が捕まえてきた男はとある暴力団の下っ端らしく、何でも鈴子のことは上からの命令だという。


「鈴子さん、ヤクザに狙われる心当たりは……」

「無いわ」

「ですよね」


 そんな心当たりがあれば真っ先に言っているだろう。ならば鈴子は知らぬうちに何かに巻き込まれたか、それとも本当に勝手に何か逆恨みされているかだが……。

 千理は改めて資料を読み込む。何か手がかりが無いかと考えていると、ふと男の所属する暴力団の名前が見覚えのあるものだと気が付いた。


「このヤクザ……前に悪魔関連で死体が見つかったのと同じ所ですね」

「ん? そういやそうだな」

「何か関係あるのか?」

「分からない。ただの偶然かもしれないけど……」


 あの事件は鈴子が担当していた訳ではないし、特に関係は無いのかもしれない。ただ悪魔を呼び出したように不可思議なことを受け入れることが出来るヤクザだとすれば、もしかして鈴子を狙う理由は。


「……」

「千理、俺が見てくるか?」

「え?」

「その暴力団、引っ掛かるんだろう。そうでなくても鈴子さんを狙うやつらだ。何が目的なのか命令したのが誰なのか、俺なら誰にも見つからずに潜入することができる。元々俺は調査員として雇われる予定だった訳だしな」

「まあそれが妥当か。相手が分かってんだから一番手っ取り早いわな」


 愁の提案に英二が同意するのを聞きながら千理は一瞬で思考を巡らせた。愁が潜入して偵察する、確かに効率を考えるのならそれが一番いいのかもしれない。


「……うーん」

「何か問題があるのか?」

「問題というか……気を付けてね」

「? ああ」


 心配そうな千理の顔を見て愁は不思議に思いながら頷いた。確かにヤクザの根城に単身飛び込むのだから心配なのかもしれないが、今の愁は霊体である。少し前に怪我を負った愁に酷く取り乱していたからそれで不安になっているのかもしれないと思い、愁は安心させるように触れられない千理の頭に手を置いた。


「それじゃあ早速行ってくる。やつらも計画が失敗したことは分かっているだろうから話題になっているかもしれないからな」

「ああ、頼むぞ」


 愁はそう言って壁をすり抜けて外に出た。あっという間に壁の向こうに消えていった愁をじっと見つめていた千理はまだ不安げな表情を浮かべており、それが気になった英二は首を傾げながら「どうした」と彼女に話しかけた。


「いえ、杞憂だといいんですが」

「何か心配ごとか? あいつが道に迷って辿り着けないかもしれないとか」

「愁は方向感覚抜群ですよ。そうでなくて……ああいや、何か言うと本当になりそうなので止めておきます」

「何だよ気になるな」

「何事もなければ愁が帰ってきてから言いますよ。……ホント、何事もなければいいんですけど」

「千理ちゃん、それはそれでフラグっぽいわ」




    □ □ □  □ □ □




「此処か」


 愁は繁華街にある三階建てのビルを見上げた。一見して普通の何処にでもあるビルにしか見えないが、資料にあったのは確かにこの場所だった。

 とにかく入ってみようとガラスになっている入り口をすり抜けると、そこには厳つい顔をした男達が入り口を見張るように立っていた。が、言うまでもなく彼らは愁に目を向けることはなく、何の警戒もなく愁はビルの中を進んだ。

 出来るだけ人の多い所を目指して天井や壁を突き抜けて辺りを捜索していると、不意にどこからか怒鳴り声が聞こえて来る。愁が興味を引かれてそちらへ向かうと狭い室内に何人もの人間がおり、その中心ではぼろぼろになった男が土下座をしているところだった。


「失敗しただあ? てめえ自分がやらかしたこと分かってんのか」

「す、すみませんでした!!」

「つかえねえ奴らだ。四人がかりで野郎一人に返り討ちに遭っただと? 笑わせるなよ。しかも一人はサツにパクられてやがると来たもんだ」


 一際偉そうな男が火の付いたままのたばこを土下座する男の手に押しつける。汚い悲鳴を上げて呻く男に愁が眉を顰めていると、男の傍に控えていた身なりの良さそうな男が口を開いた。


「アニキ、次俺が行きますか?」

「ああ、サツに警戒されてるだろうから遠くから狙撃しろ。お前得意だろ」

「了解」

「先生もいい結果を待ち望んでる。しくじるなよ」


(先生……そいつが黒幕か?)


 不意に出て来た新しい人物。その先生とやらが指示を出してヤクザを動かしているとすれば、相当重要人物に間違いない。何かその人物について情報を出さないかと耳を傾けていると、土下座男が他の人間に引き摺られて部屋の外へ連れて行かれた。


「何事ですか」


 と、思ったら入れ違いに別の人物が部屋に入って来る。その男は不健康そうな痩せた男で、どうにも他の人間のようにヤクザ然とした厳つい見た目ではない。どちらかと言えばそのヤクザに取り立てられる側のような人間に見えるなと愁が考えていると、今し方タバコを押しつけていた偉そうな男がみるみるうちにへりくだった態度で「ああ先生、お騒がせしてすみませんでした」と頭を下げた。


 ……この男が“先生”なのかと愁は信じられないように痩せた男を見つめる。


「いえ、それで? 透坂鈴子は始末出来たんですか」

「それが少し難航していまして……しかし安心して下さい。すぐにその女はこの世から消し去りますから」

「!」


 やはりこの男が黒幕だ。この男の指示でこのヤクザ達は鈴子を狙っている。一体何者だと、愁はより近くで男を観察しようと彼に近付いた。


「だといいんですが……?」

「……」

「……」


 しかしその瞬間不意に顔を上げた男と、何故か愁はばっちりと目が合った。気のせいなどではない。男の焦点がはっきりと愁に固定され、徐々にその目を見開かせて行くのだ。


「お前、俺が見え」

「悪霊退散!」

「!?」


 思わず話しかけようとした愁に突如として“何か”が飛んできた。それは本当に“何か”としか言いようがなかった。何せ愁の目には見えず、しかし確実に何かが来るのが感覚で分かったのだから。


 咄嗟に避けようと体を捻るが見えないが故に全てを避け切ることはできなかった。じゅ、と何かが焼けるような音がしたかと思えば、いつの間にか左足の一部が欠けていたのだ。それに気付くと、遅れてじくじくと熱を持ったような激痛が走った。








「悪魔を知っているヤクザ……鈴子さんを狙うのも何かまずいものを“見られた”とかそういう関係の理由かも知れない。そんでもってひょっとしたら幽霊を見ることが出来たり、それこそ万が一除霊なんかできる人なんているかもしれない、なんて」


 同時刻、霊研ではいやいや流石に考えすぎ、飛躍しすぎだろうと一人呟いている千理の姿があった。




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