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第3話:神様の悪戯

「おい!可愛くね」

「めちゃくちゃ美人」

クラスが再びざわつき始めた。


「おーい静かにしろぉ〜。じゃあ、自己紹介お願いできるかな」

先生がそう言うと、少女は口を開いた。


「家族の都合で、この度美咲高校に転校してきた遠野千春です。これからどうぞ、よろしくお願いします」


その透き通るような綺麗な声は、昨日の夜聞いた声と同じだった。


「じゃあ、座席なんだが、とりあえず望月の後ろに席一つ追加して、その席で頼む」


え、後ろ?


すると彼女の視線が僕の方を向いた。

これは、神様の悪戯なのか。


彼女は俺と目が合うや否や驚くように口を開いた。

「もしかして、昨日の…」


「なんだ、お前ら知り合いなのか」

先生が余計な一言を挟む。


「はぁ⁉︎望月!なんで遠野さんのこと知ってるんだよ!」

「昴輝お前、説明しろ!」


アニメなどでお決まりのガヤが飛び交った。


「いや、知り合いって程の関係じゃなくて、まさか転校生でこのクラスに来るなんて知らなかったから」

俺はこの場を抑えるため、必死に言い訳をする。


「ほらほら、静かにしろ。ホームルーム始めるぞ」

先生が場の鎮圧に入った。


「先生!俺が机と椅子持ってきますよ!」

そう言うと、一人の男子生徒が廊下へと駆けて行き、俺の後ろの席に遠野さんの机と椅子を運び入れた。

そして、僕の肩をそっと叩き

「後で、事情を聞こうじゃないか」

と呟いた。


あぁ…なんて面倒臭いことになったんだ。

運命の出会いにの余韻に浸る暇もなく、僕はクラスの注目の的となってしまった。


遠野さんは用意された俺の後ろの席へと座った。

そして、耳打ちをするように俺に囁いた。


「また会えましたね。運命って本当にあるんですね」


思いのほかその声が大きかったのか、何やらクラスの男子から殺気めいた視線を感じた。


(この代償は高くつきますよ、神様…)

読んでくださった方ありがとうございました。

評価、ブクマ等もよかったら。

次話もぜひぜひよろしくお願い致します。

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