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異世界転生鬼退治  作者: ぽむりんご
天空島ミッドウェル編
30/45

おとぎばなし

「何よこれ…」


村に着くと、村にはおびただしい瘴気のようなものが漂っており、外には誰一人居なかった。


「この瘴気はあんたも吸うと危険よ、息を止めて待ってなさい」


そう言うとかぐやは詠唱無しで俺と自分に魔法を施した。


「もういいわよ、光のバリアで身を守っているからこの瘴気には晒されないわ」


実はかぐやはとても有能なのではないかと少し感心したが、それを言うとおそらく調子に乗るのでお礼だけ伝えておいた。


村を歩いている途中、ずっと周りから視線は感じていた。

村の外は瘴気が漂い、作物は枯れ果て、誰もいない。

しかし村には人が住んでいる。

家の中にいて出てこないのは瘴気を吸わないため。


「何がこの瘴気を起こしているのか突き止めましょう」


そうかぐやがいい、2人で並んで村を見て回った。

が、その原因はすぐに判明した。


大きな、とても大きな"カブ"が村の中心に刺さっている。


「カブ…?なんであんな大きなものがここに」


俺はかぐやと目を合わせ、頷きあった。

大きなカブ…童話…。

あの童話の大きなカブだとして、なぜ瘴気を放っているのか。

しかも大きなカブは海外の童話じゃないのか?

今まで経験してきたものとは少し違う…。


「かぐや、お前ならこのカブを魔法で消せないか?」


「できないわね。これは人工物。なにか特殊な魔力を感じる。これを作った者しか消し方はわからないはずよ」


「そうか…。とりあえず、村の人たちに話を聞かないとどうにもならないな」


「わかったわ、短時間だけどこの村に瘴気が関与しないようにしてみる」


そう言うとかぐやは詠唱を始めた。

さすがに先程のバリアとは違い、大掛かりな魔法となると詠唱が必要なようだ。

俺たちの詠唱とは少し違い、かぐやの周りに魔法陣のような者が現れる。


「光の道、光の輪、光の渦、三種を用いて汝に告げる、我に女神の祝福を。ホーリーフィールド」


かぐやがそう唱えると魔法陣が村の規模まで大きくなり、光を放った。

瘴気で澱んでいた村は光が差し込み、何も関与しないようなバリアが貼られていた。


「ふぅ。どう?短時間だからさっさと聞き込みを終わらせましょ」


「お前、有能なんだな」


「ふっふーん。あったりまえでしょ!」


しまった。つい言葉にしてしまった。

だがつい言葉にしてしまうほどの見事な魔法だったのは確かだ。


るんるんのかぐやは置いといて、俺は村の扉を叩いて回った。

多くの人は瘴気が一時的に無くなっていることに気づいていなく、出てきてはくれなかった。


しかし、一つの家の扉を叩いた時、中から声がした。


「君たちはなぜ無事なんだい?あの空気を吸ってしまうと皆死んでしまったのに…」


「この横にいる女の子の力だ。一時的だが、村自体に魔法をかけさせてもらった。今は出てきても大丈夫だ。話をきかせてもらえないか?」


そういうと恐る恐る、ゆっくりと扉が開いた。

中から出てきたのはスラっとした顔つきの男。


「僕はジャック。ここに越してきたばかりだと言うのにこんなことになるなんて…」


ジャックはそう言って一通りの経緯を説明してくれた。

ジャックは最近ここの村に引っ越して来たらしく、村の人にも歓迎され、仲良く暮らしていたようだ。

しかし、突然空から地鳴りのような音が鳴り響き、先程のカブが落ちてきたそうだ。

そのカブは最初は何もなく、この村への食糧だと皆が喜んだが、突然瘴気を出し始めたらしい。

次々に倒れて行く仲間を目の前に村の人は家に篭り、瘴気から身を守りはじめた。

瘴気がそれから無くなることは無く、家から出れず、貯蓄していた食糧もそろそろ底をつく所だったと。


一連の流れは理解したが、鬼の仕業かは分からなかった。

なにせ空から突然降ってきたのだ。

この上に何かあれば別の問題なのだが。


「あるわよ」


かぐやは何事もないと言った顔をしてそう言った。


「え、なんて…?」


「だから、あるって言ったの。空に。空に浮かぶ島。聞いたことない?有名よ?」


「そんな、おとぎばなしじゃあるまいし」


「でも誰も行ったことはない。高すぎるからね。その島の名は"ミッドウェル"。私が月の国にいた時、浮いているのを見たことがあるわ」


そんなバカな。

いやでもなんでもありの世界だ。

島が浮いていると言われても何も問題ないのか…?


「あのう…カブと一緒にこれも落ちてきました」


そう言ってジャックは俺にある物を渡した。

受け取り、よく見てみると、、、。


種?のような物だった。

ジャック…種…。

天空の島…。

大きなカブ…。


まさか、ジャックと豆の木!?

これで…天空に…!?

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