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異世界転生鬼退治  作者: ぽむりんご
修行編
14/45

修行の始まり

謎の男について行く道中、彼のことを探ろうと俺はいくつか質問をすることにした。

助けてもらったのは明らかだが、まだ敵が味方かわからない。しかもあの四天王が引く判断をするほどの男だ。分が悪いとまで言っていた。

話してくれるかは分からないが質問する必要性は感じた。


「なぜ、俺たちを助けてくれたのですか?」


「乙姫から思念伝達を受けていたのでな」


思念伝達…

そんなことまでできるのかよ…

まあもう今更この世界には驚かないが。


「乙姫さんとはどういう仲なのですか?」


「昔の旧友とでも言っておこう」


昔の旧友?

共に戦った仲?

それともこの人も竜宮城へと行っていた人物なのだろうか?


「俺たちはこれからどこへ?」


「乙姫からお前たち3人を鍛えるようにと言われている。修行をするために我が家へ来てもらう」


修行…

確かに俺たち3人の無力さは今しがた思い知ったところだ。

そこそこ強くなったと思い込んでいたが、四天王を前にすればあの通り、動けなくなるのだから。

それに比べてこの男は風神の攻撃を弾き、風神に撤退までさせた男。

この男に修行をつけてもらうことは合理的と言える。


「質問はそれだけか?ならこちらから質問させてもらう」


「お前たちはなぜ弱い?」


思ったものと違う角度からの質問。

その質問に俺たちはすぐに答えることができなかった。


「言い方を変えよう。お前たちには何が足りないと思う」


俺たちに足りないもの。

魔法?身体能力?剣技?

しばらく悩んだが、どれも俺たちに足りないように思える。


「経験だ」


また冷たく男は言い切る。


「見たところ、そこの斧を持った少年。お前は戦闘能力について非常に抜きん出た力を持っている。そして後の2人は魔法が使えるようだ。桃太郎に関しては剣技も鍛えれば伸びる。なら何が足りないか。それは圧倒的強者との戦闘経験だ」


彼は立ち止まり、俺たち3人の方を振り返り説明してみせた。

強者との戦闘経験。

阿修羅や風神のような圧倒的な力を持ったもの。

また、この男も同類であろう。


「つまりこれから俺がいいと言うまで、毎日俺との戦闘をしてもらう。手を抜くつもりはない。死んでも文句は言うな」


そう言い放ち、男はまた歩き出した。

俺たちは何も言えなかった。

さっきの風神との対面で1人も動けなかった。

それを痛感し、彼の言葉が間違っていないことを悟ったからだ。

乙姫は見抜いていたのだ。

俺たちが夜叉を倒し、鼻が高くなっていること。

このまま行けば、どこかで挫ける時が来るとこ。

そして俺たちに将来性があること。

これはチャンスでもある。

強くなれる。阿修羅や風神とやりあえるほどに。


「ついたぞ、今日は休め、明日より修行を始める」


着いた先は古い民家。

山小屋といった方が良い。

ちょうど超えるはずの山の中腹にあった。


俺たちはお互いに決意の顔をしていた。

必ず強くなるという決意。

そして静かに眠りについた。

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