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異世界転生鬼退治  作者: ぽむりんご
修行編
13/45

四天王【風神】

乙姫から貰った手紙…。

これを誰に渡すのか、いつ使うのか、結局話した内容しか教えてもらうことはできなかった。

しかし、仲間が2人もできたことはいいことだ。

力自慢の金太郎、俺と相性抜群の浦島、、

そうだな、あと1人。あと1人仲間が欲しい。

そんな想いを抱きながら、俺たち3人は次に行く場所について相談していた。


「ここからだと次の街にはあの山を越えないといけませんね。かなりの大きさの山です」


浦島が言う。


「山がどうだってんだ。俺たちなら余裕だい」


「そうだな、どっちみち次の街へ行くには山を越えなきゃ行けないんだろ?じゃあ道は一つだ」


こうして俺たちは目の前にそびえ立つ山を目指していた。

鬼王がこの世界に住み着いてからと言うもの、街や村だけではなく、平原や山にも鬼が出没するようになっていた。

俺たちは山に向かう道中、何匹もの鬼を倒した。

赤鬼や夜叉と比べるとどうってことない鬼ばかりだが。

一つ分かったことは、鬼王から直接指示を受けていない鬼は言語能力がなく、知性も低い。

逆に赤鬼や夜叉のような指示を受けている鬼は知性が高く、強敵だということだ。

まだどんな鬼が待ち受けているかわからないが、四天王以外の鬼ならば3人の力があれば倒せそうな気がしていた。

そんな考えをしている時、三人の前に強烈な風が吹き荒れた。

強風は周りの木々を倒し、砂嵐を巻き起こす。


「な、なんだ!?」


風が止んだと思えば、あの時と同じ感覚。

【殺気】である。

瞬時に悟った俺たちは身構える。

そこに強烈な地響きとともに一匹の鬼が現れた。


「おうおう、夜叉の野郎がやられたって聞いて来てみればとんだ小僧3人だけじゃねえかよう」


その鬼は言葉を発する。

確実に鬼王直属の鬼、、、。


「ま、あいつぁ弱えし、仕方がねえか」


その鬼は空中に浮く雲にあぐらをかきながら乗り、顎髭を手で撫でながらそう言った。


3人は強烈な殺気により、体が硬直する。

夜叉や雑魚鬼を倒したことで浮かれていた。忘れていた。この世には上には上があるということを。


「冥土の土産に名乗っといてやらぁ。儂は鬼王護衛軍四天王の1人、風神ってもんだ。お前さんらちょっと調子に乗りすぎたな、鬼王様から殺すように命を受けているんでな、悪くおもうなや」


そう言って風神は肩にかけている袋のようなものを構え、俺ら目掛けてなにかを発してきた。

俺たちは体が動かず、死を受け入れるしかないと目を瞑ったその時、

ガギンと鋭い音が鳴り響く。

目を開けると、そこには1人の男が立っていた。

風神が発したその何かを剣で弾き返していた。

男は背丈が高く、長いローブのようなものをみに纏っている。

男が持つ剣は白く光り輝く不思議な剣。


「下がっていろ」


低く、冷たい声でそう言う。


男が再び剣を構える。

風神も全く動揺せず、それを見る。

2名の間にしばらく硬直があり、時が流れる。

しばらくして、風神が口を開いた。


「ふん、まだ生きとったか。分が悪りぃな。おい小僧ら、また会おうや。」


そう言って風神はまた強烈な風を起こし、飛び去っていった。

俺たちは安堵からか腰を抜かし、その場に座り込んだ。

男は剣を鞘に収め、こちらを見る。


「怪我はないか」


冷たく淡々と、そう俺たちに聞く。


「だ、大丈夫です。助かりました。あなたは…?」


「名乗るほどの者ではない。お前は桃太郎だな?乙姫から預かっているものがあるだろう」


そこで俺は手紙の事を思い出した。

これが使う場所、渡す人。

乙姫は俺たちが風神に襲われることも、この男が助けに来てくれることもわかっていたのか?

だとしたら、少しくらい説明して欲しかったものだ。完璧に死んだと思ったのだから。

そして俺は乙姫から預かった手紙を男に渡した。

男は手紙を受け取り、それを黙読する。

読み終わったかと思えば、口を開いた。


「なるほど。よし、3人とも俺についてこい」


そう言い、ローブをなびかせて歩き出した。

俺たち3人はお互いに顔を見合わせ、言葉を発しず、焦るようにその男の後に続いた。

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