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召喚失敗

魔王が存在する異世界。それは星の数ほど存在する。神々はそんな世界を救うべく力をもつ勇者や賢者などを魔王討伐の為に【派遣召喚】し、世界に平和をもたらす活動をしていた。




そんな派遣勇者達は神々との契約により、平和に成れば次の異世界に召喚されていくのだが、そんな中比較的平和な世界に飛ばされたある一人の勇者と神々から遣わされた天使の少女がいた。




二人は今しがたこの世界に飛ばされ、晴天の中草花を揺らす風をかんじながら、始まりの町らしきものが見渡せる丘の上に立っていた。胸当てと手足に簡単な装備を身に付けた白銀の髪の青年は隣に立つ金髪眼鏡に白衣を纏う少女の姿をした天使に声をかけた。




「何だか今までの世界に比べて和やかな雰囲気だけど?この世界にも魔王が居るのか?」


「あれ~?おかしいな?確かに天使長様がおっしゃってた世界に飛んだはずなんだけど?、、、平和よね?」


「、、、」




勇者は何かを察し、無言のまま冷ややかな目を天使になげかけた。その視線を察してか、暫くして少女は口をひらいた。




「もしかして、また間違えて飛んじゃったかな?、、ごめんなさい。」





少女は自身の失敗を認めたが、その口振りからは初めてではないようであった。そんな天使に勇者は半ば呆れたような視線を送った。




「また!?これで何度目なんだよ!?ていうか一回も目的の世界にたどり着いた事いまだに無いし!!ここ何処なんだよ!?」


「、、、ごめんなさい。でもほら!前みたいな人類が滅亡しかけてた世界とは違って平和な世界みたいだし!むしろ間違えた方が良かったみたいじゃない!?」


「それ、一歩間違ったらまた以前みたいな世界に飛ばされてたのかもしれないんじゃ無いのか?さらにあそこにある町が駆け出しの町でここが魔王城から最も離れているだけで、実際はさらにヤバい魔王が居る世界かもしれないし?」





冷ややかな視線を向ける勇者の言葉に対し、半ば強引に事態を解決させようとしていた天使はうつ向きかげんで静かにこたえた。




「、、本当に、ごめんなさい。でも貴方は歴代最強の勇者でレベルとステータスがMAX値なんだし、何があっても大丈夫よ!」


「あんな無茶苦茶な世界に何度も飛ばされ続け生死の狭間を幾重にくぐったおかげでな!!これ以上つづいたら人の限界を越えて化け物になるわ!!!」


「、、と、とにかく、あそこにある町にいきましょう?どんな世界か調べる事も出来るでしょうから!」




完全に部が悪くなった少女は丘から見える町に行くことをすすめた。内心複雑な勇者ではあったが、渋々天使の背を追い町へ歩みを進めた。



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