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049 s

 


 紋章ギルド受付前。

 六人から成る戦闘部隊が、受付嬢から依頼の説明を受けていた。


「――第28部隊は森林内のデミ・ウルフ十頭の討伐ね。ハヤト君、くれぐれも一人で突っ走らないように。エミカちゃん、怖かったら遠慮なく皆に言うのよ? ダイスケさん、何かあったら連絡をお願いしますね。マージンは取ってあるとはいえ何があるか分かりませんから」


 一人一人に厳しい口調で声掛けする美女。


 巨大なエントランスの中央に位置する紋章ギルドの受付。

 忙しなく画面をスクロールする受付嬢――ルミアは、第28部隊が持ってきた〝討伐依頼書〟を受理した。


 今や侵攻の脅威から解放されたアリストラスのプレイヤー達。


 紋章ギルドに属しており、鈍色の鎧を着た〝戦闘員〟は冒険者ギルドや紋章ギルドに持ち込まれる依頼を受けながら日々の生活費と自己鍛錬に当たっていた。


 ギルドホームの扉が放たれる――

 雑談する人々の間を縫う様に進む人影。


 もみあげの長い、栗色のショートカット。

 背中に銀の弓と矢を携え、腰からは短剣の柄の部分が顔を覗かせている。


 ぴったりとした黒いノースリーブタイプの厚手のタートルニットに、鈍色の金属で作られたグリーブ。腰から垂れる、くるぶしまで伸びたマントが歩く度にはためいている。


 その人物が受付に立つとルミアの顔がパァッと明るくなった。


「おはようございますルミアさん! 忙しそうですね」


「ミサキさぁん! 今日も素敵!」


 側から見たら久々の再会を喜ぶ姉妹のよう。

 しかし、二人は殆ど毎日顔を合わせている。


「ひとまず朝の報告として、アリストラス周囲の平原エリア、森エリア、イリアナ坑道周辺、ウル水門周辺まで侵攻発生は見られませんでした」


「いつもありがとうございます。手当てはメールで直接送っておきますので確認してください!」


 朝のお約束を済ませたミサキとルミア。


 朝、昼、晩の索敵と自己鍛錬はミサキの日課であり、報告はしていないが、今では夜中の一人鍛錬の際も索敵を行なっている。


 今のところ、侵攻は未発生となっていた。


「今日は一人ですか? 部隊ですか?」


「部隊依頼で外に出ようかなと思ってます。枠空いてる待機中の部隊ありますか?」


「わかりました! ちょっとまっててください」


 そう言って、何かをスクロールしていくルミア。

 そしてちょうど良い部隊を見つけると今度はミサキの目の前に半透明のポップが出現、依頼内容と参加メンバーが表示された。



○○○○○○○○○



依頼内容:盗賊ゴブリン駆除依頼

依頼主名:旅商人ハウンズ

有効期間:48:00:00


依頼詳細:エマロの町に向かう途中、ウル水門で盗賊ゴブリンの群れに襲われた! あの中には大事な商品が沢山ある! 奴等の駆除と奪還を頼む!(座標:1705.497.620)


討伐対象:盗賊ゴブリン (0/10)


奪還物資:ハウンズの商品(0/5)

    

報酬内容:14,000 ゴールド

    :10,000 exp


参加者 :5/ 6


誠(L)  重戦士  Lv.36

ショウキチ 剣士   Lv.17

ケットル  魔道士  Lv.15

バーバラ  聖職者  Lv.17

キョウコ  弓使い  Lv.16


○○○○○○○○○



(ウル水門でゴブリン退治かぁ。中に行くのは初めてだけど、(マコト)さんがリーダーなら心配なさそう)


 ミサキはそれを受理する。

 それと同時に画面右下にパーティ一覧が表示され、ミサキが加入したことで上限の六人(フルパーティー)となった事が確認できた。


「多分みんな待機室か武具屋見てると思いますから、行ってみてください!」


「わかりました! いってきます!」


 笑顔でルミアと別れたミサキは、パーティーを表す〝黄色の点〟が集まる武具屋の方へ向かったのだった。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 先ほど、「主人公の出番が少ない」という趣旨の感想を書いた後に、他の方の感想への返信をたまたま読んでこの作品が群像劇である事を知ったので一旦削除しました。 自分はタグを見て作品を選ぶ習慣…
[一言] 早めにミサキ編終わらせてください!
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