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眩い光は修太郎に新たな力を授けた。
修太郎の脳内にアナウンスが響く。
『条件を満たしました。EXジョブ《伝説の召喚士》を取得しました。二段階報酬が適用されます、EXジョブ《陰陽の召喚士》にクラスアップしました。三段階報酬が適用されます、EXジョブ《統べる者》にクラスアップしました』
(EXジョブが二段階も強化されたのか)
両手をグーパーさせる修太郎。
目の前に《統べる者》の詳細が表示された。
《統べる者》
概要:全ての魔物を従える資質を持った者が就く事のできる職。あらゆる配下の技を扱う事ができ、配下の真の力を引き出す力を持つ。その者、万の軍を率いて世界を統べる覇者とならん
出現条件:忠誠度が最大かつ1万体以上の配下を従えた者が、陰陽の召喚士とその全ての召喚獣を討った場合に解放される
取得スキル:召喚枠拡張、統率者の檄、生命共有、成長補正の極み、限界召喚、契約魔法
○追加スキル
召喚枠拡張:最大召喚数を2枠追加する
統率者の檄:使用者に帰属する配下のステータスを150%上昇させる(効果範囲15m)
生命共有:使用者は最大2体の配下のLPと自身のLPを共有させることができる
成長補正の極み:配下への経験値量500%上昇
限界召喚:召喚獣の種としての限界を突破させ、進化とレベルの上限を上げる ※成長限界に達した配下にのみ有効
契約魔法:配下の攻撃スキルおよび魔法スキルおよび固有スキルを使うことができる。対象とする配下の忠誠度が高いほど再現度が上昇する
その内容に目を白黒させる修太郎。
スキルの内容と性能が、今までのソレとは大きくかけ離れていたからだ。
当然、ステータス強化値も《剣士》や《召喚士》の比ではない。
この《統べる者》という職業は、レベル120を満たしたとしても満たす事が困難な前提条件をパスした者が成れる《伝説の召喚士》の、さらに二階級上に位置する職業である。
本来レベル30ぽっちの少年が、こんな短期間に解放できる職業ではない。しかし、度重なる偶然と、それ以降の必然が重なってイレギュラーは成ったのだ。
レベル1で選んだ職業を〝第一階級〟として、30、60、90、120で〝第五階級〟となるのが通常のルート。
第五階級が伝説の召喚士であり、
第六階級は陰陽の召喚士である。
統べる者は〝第七階級〟に位置する職業。
奇しくもそれは魔王達の階級と同等だった。
(それにこの通常スキルは、二連撃みたいな攻撃スキルと同じで成長させられる。全部を熟練度100にしたら一体どれほどの……)
心の中で身震いする修太郎。
手にした力の大きさに押し潰されそうになる。
『試験終了です。残り10秒で転送が始まります。試験終了です。残り10秒で転送が――』
「皆が頑張ってくれた成果だ。感謝しなきゃ」
開いた手を力強く閉じる修太郎。
修太郎に想像以上の恩恵をもたらした昇級試験は幕を閉じ、神殿の崩壊と同時に、修太郎の体が光に包まれ消えた。




