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106

書籍化します

詳しくは活動報告にて

 


 10戦1勝9敗――


 ショウキチの修太郎との戦績である。

 怜蘭とは10戦10敗という戦績となっていた。


「ふぅー。修太郎とはやればやるほど差が広がっていくって感じがする。怜蘭とは最初から格が違うというか、まぁ完敗」


 大の字になってそう語るショウキチ。

 隣には同じ形でケットルが倒れている。


「結局私がこの中で最弱かぁ」


「でも 魔法攻撃職(キャスター)って近接系の職業と相性悪いから、最前線でも近接系に勝ち越せる魔法攻撃職(キャスター)はそういないよ」


 全員分のドリンクを用意しながら、怜蘭は苦笑を浮かべフォローする。


 実際、魔法攻撃職(キャスター)と近接系の勝負は、MAPによるが近接系の一方的な試合になる場合が多い。現代に置き換えれば、スナイパーライフルを持った者と、剣を持った者の戦いに近い。場所が割れて近付かれれば、スナイパー側が勝つのはなかなか難しいからだ。


「攻撃による詠唱中断(キャストキャンセル)とかは無いけど、こっちが撃つまでに五回も六回も殴られたら割りに合わなすぎる」


 そう言いながら、ケットルはショウキチを睨む。特にショウキチとの相性は最悪で、10戦のうちケットルが勝てたのはたったの一度だけだった。


「でも地形をうまく使えた時のショウキチ君は防戦一方の末に負けてるし、魔法攻撃職(キャスター)は手数より一撃の威力だったりするからやりようはあるよ」


「私の訓練不足、か」


 怜蘭にそう言われ、納得するケットル。

 ショウキチは清々しい気持ちで天井を見ていた。


「でも俺はこれから何を鍛えたらいいか、なんか掴めた気がするぞ!」


「私だって課題見つかったもん。それに集団戦での火力は一番だったし、次からのキレン墓地攻略では結構役に立てそう!」


 どこか満たされたように語り合う二人。


 その光景をニコニコしながら見つめる修太郎に、怜蘭が声を掛ける。


「召喚獣の強さは置いといて、修太郎君はどうしてそんなに強いの? どこかで鍛えてた?」


「うん。修行した!」


「修行かぁ。どんな修行してたの?」


「ええとね……」


 そう言いながら、修太郎はバートランド達との修行風景を思い出していた。


『まずは武器と一つになりましょう。常に武器と共にあり続け、それが体の一部になるまで続けます』

『他のスキルを鍛えるのは今のスキルが最大まで育ってからです。今日は反復練習を1万回ずついきましょう』


 かなり忍耐力が求められる内容だったのだが、修太郎にとって剣を扱う・振るうことは好きなことの延長であるため、実に楽しくこなせていたのだった。


「寝るときもお風呂の時も常に剣を持ってたかも――それを二年くらい」


「二年?!」


 加速世界での二年であるが、怜蘭をはじめ普通のプレイヤーは当然、別の事を想像するだろう。


(そもそもの生き方が違いすぎる……でも腑に落ちたかもしれない)


 プレイヤーになる前から達人のような生き方をしていたと想像した怜蘭は、修太郎の強さに裏付けが取れたため、妙に納得していたのだった。


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― 新着の感想 ―
[気になる点] 現代に置き換えるとの部分、剣じゃなくて拳銃とか短機関銃の方がいいんじゃないでしょうか
[一言] まあ、そういう誤解を受けても仕方ない
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