異世界勇者伝説
声劇 台本
♂:2人
♀:1人
不問:1〜2人
タイトル:異世界勇者伝説
登場人物
ヘルス(♂)
ジェームズ(♂)
メレーナ(♀)
魔王(不問)&ナレーション(不問)
これはとある異世界の物語。
一つ昔話をしよう。
その世界には勇者という職業か存在していた。
それは一国に1人産まれるか産まれないかという確率で誕生する。中には努力で勇者になる者もいた。勇者が誕生すると必ず1人魔物の親玉である魔王が数百年に一度産まれるという言い伝えがあった。
昔、ある冒険者がいた。その冒険者は生まれつき才能が無く何をやってもうまくいかず周りの人間より劣っていた。
その冒険者の名前はヘルス。
ヘルスは冒険者になる前、冒険者養成学校に通っていた。
ヘルス「今日は剣技の練習かぁ〜。苦手だなぁ〜」
ヘルスには仲の良い友人のジェームズがいた。
ジェームズ「苦手なのか。じゃあ俺が教えてやるよ!まず剣は持ちやすいものを選べ!練習に重くて使いづらい大剣は要らねぇだろ!もっと軽い短剣か太刀にしとけ。」
ヘルス「え〜、俺はもっと強い武器を使えるようになりたいんだけどな〜。」
ジェームズ「お前には大剣扱えるような体格じゃないだろ〜。いいから とりあえず、剣技の練習なんだから軽い剣にしとけ」
ヘルス「そこまで言うならそうするわ。
何にするかな〜。よし!太刀にしよう!カッコいいし大剣に近いし!」
ジェームズ「太刀にしたのか。わかった!まず太刀の持ち方はこうだ!そして振り方はこう!ほら、やってみろ!」
ヘルス「こ、こうか?」
ジェームズ「違うよ!よく見てろ!これをこうしてこうだ!わかったか?やってみろ!」
ヘルス「こうか?」
ジェームズ「そうだ!やればできるじゃないか!次は…そうだな…。俺が魔法で人形を作るから、それを切ってみろ!ただの人形じゃつまらないからなぁ…よし!強化魔法をかけておく!そして動くようにしておく…よし!これで準備オーケーだな!制限時間を設けるか…じゃあ1時間だ。1時間以内にその人形50体を倒してみろ!」
ヘルス「やることは分かったけど…ご、50体!?そんなの俺に出来るかなぁ…」
ジェームズ「出来る出来ないじゃない!やるんだよ!やらないと強くはなれない!冒険者になりたいんだろぅ?だったらやってみろよ!」
ジェームズは学内の誰よりも強く優しい。もちろん友人のヘルスにも優しいので、強くなれる方法で実用的な物は片っ端から全て実践する主義だ。
ヘルス「まぁ、やるのは良いとして…さすがに反撃は…して…こな…い…よな?」
ジェームズ「しないとは一言も言ってないぞ。全部じゃないが何体かは反撃するようにした。反撃と言っても簡単なファイアーボールくらいしか出来ないけどな!ファイアーボールなら防ぐのくらい余裕だし、当たっても軽い火傷程度で済むからな。」
ヘルス「反撃してくるの!?しかもファイアーボール!?他の人は簡単に防げるかもしれないけど、俺は防げないぞ!結界も張れないし…。」
ジェームズ「結界なんて大袈裟な物張る必要なんてないよ!大丈夫だ!お前なら出来る!俺は少し休んでくるから、終わったら言ってくれ!じゃあまた後でな!検討を祈る!」
ヘルス「お…おい…。あ~行っちゃったか…仕方ない…やるしかないか…。まずは太刀を構えて…。うおりゃぁぁぁ!よし!まずは一体!次は…あっちか…。はぁぁぁ!よしゃあ!二体目ぇ!……ハァハァ…二十体目…っ!アイツ、ファイアーボール撃ってきやがった…。どうする…ええい、ダメ元で結果張るか!妖精の盾!……くっ…、やっぱり張れないか…仕方ない逃げ回って攻撃するしかないか…よし!あの木を踏み台にして、てりゃああああ…よし…なんとか倒せたな…ハァハァ………」
ヘルスは50分戦い続け、制限時間を10分切ったところで最後の五十体目と戦う
ヘルス「ハァハァ…あと10分くらいしかない…ハァハァ…ハァハァ…ラスト一体…。あ、アイツか…え?アイツのあの構えなんだ…あの構えは…ファイアーボールどころじゃないぞ、あれは…メガ・フレアじゃないか!あんなの食らったら死ぬ…ヤバい…ヤバすぎるぞ。メガ・フレアは周囲の建物を一瞬で灰にするくらいの威力だからな…あれを食らったら間違いなく軽い火傷じゃ済まない…どうするか…。やられる前にやるしかないか。はぁぁぁ!!うおりゃぁぁぁ!!こ、これでどうだ?…おい、嘘だろ…渾身の一撃だぞ。まずい…まずい…まずい!考えろ!考えるんだ俺。アイツならどうした?ジェームズなら…あ〜、ダメだジェームズはそもそも俺と違って魔法で結界張れるし、剣に魔法をのせて放つことも出来る…。どうする?なんとかしないと…ああ…ダメだ。まずい!やられる!」
メガ・フレアがヘルスに当たるかに思えた瞬間、謎の女性がヘルスを結界を張って庇い、人形に魔法を放った
⁇?「聖なる森の精霊よ。我が盾となり我らを守りたまえ!展開せよイージスの盾!そして、食らいなさい!燃え盛る竜の爪痕!」
彼女の呪文と共に人形は跡形も無く消え去った。
ヘルス「助けてくれてありがとうございます!ところであなたは?」
⁇?「私はメレーナよ。こっちからも聞くけどあなた何者?あの人形となにしてたの?」
ヘルス「俺はヘルス!あの人形は、友達に鍛えてもらうために友達が作った人形だよ。」
メレーナ「本当にその友人が作った人形?
それにしては魔素が多く含まれていて、まるで魔族みたいだったけど…。」
ヘルス「いや、本当に作って貰ったんだって!あっ、そうだこうしちゃいられない!ジェームズに終わったこと報告しにいかないと!じゃあ、メレーナ!助けてくれてありがとう!また!どこかで!じゃっ!」
メレーナ「まって、私も行くわ!少し嫌な予感がするの」
ヘルス「わかった!でも、連れてく代わり、後で魔法とか教えてね!俺、冒険者目指してるんだけど魔法もロクに使えないし結界も張れないから…。」
メレーナ「わかったわ。良いわよ後で教えてあげる!」
ヘルス「よし!じゃあ決まりだな!とりあえずジェームズに報告だ!」
ヘルスはジェームズが休憩している木陰に向かって走って行った。
ヘルス「ジェームズ!なんとかクリアしたぞ!」
ジェームズ「おっ?やったか!そうかそうか!やっぱりなお前は出来るやつだと信じていたぞ!どうした?浮かない顔して。ファイアーボールを撃ってくるやつに苦戦したのか?」
ヘルス「いや、ファイアーボール撃ってくるやつは何とかなったが、最後の一体だけメガ・フレアを撃ってきたぞ!あれはどう言うことだ?俺を殺す気か?」
ジェームズ「メガ・フレア?そんな危険な物撃ってくるやつなんて出してないぞ!お前の勘違いじゃないのか?」
ヘルス「確かにあれはメガ・フレアだったぞ!メレーナが助けてくれなかったら俺は死んでいたかもしれない」
ジェームズ「メレーナ?一体誰のことだ?
ん?そっちのお嬢さん、あなたがメレーナさんですか?」
メレーナ「はい、そうですが…あなたがあの人形を作った方ですか?」
ジェームズ「そうだよ。あの人形がなにか?」
メレーナ「あの人形、一体だけメガ・フレアを撃ってきたヤツがいたので聴いたのですか?それはご存知ない感じですか?」
ジェームズ「メガ・フレアだって?あんたもヘルスと同じようにそんなこと言うのか?本当にメガ・フレアを撃ってきたのか?確かなのか?あと、あんたタメ口でいいぜ。堅苦しくて話しづらいからな。」
メレーナ「わかったわ。ええ、あれは絶対にメガ・フレアだったわ。それより、なんであんな危険な人形をヘルスに戦わせたの?」
ジェームズ「おかしいなぁ…。俺が作り出した人形はメガ・フレアなんて高等魔法撃てないはずなんだけどなぁ…。」
メレーナ「間に合ったから良かったものの…一歩間違ったら…。本当にヘルスがやられてたかもしれないのよ!あと、倒した人形の事なんだけど、倒したら魔素が溢れてきたのよ。おかしいと思わない?」
ジェームズ「魔素だって!?おかしい!おかしいぞ!俺の作った人形に魔素なんて含まれてないぞ!俺以外が作ってヘルスを狙った?なぜ?」
メレーナ「私も分からないけど、誰か狙ってるヤツがいるのであればヘルスを鍛えてあげて自分の身は自分で守れるようにならないといけないから…どうする?」
ジェームズ「俺が実技担当で、メレーナが魔法担当でいいか?」
メレーナ「そうね…とりあえずそれでいいわ。」
ジェームズ「ヘルス!お前もそれでいいか?」
ヘルス「ああ!頼む!俺 もっと強くなりたいし!みんなを守れるようになりたい!俺は冒険者になるんだからな!」
ジェームズ「よし!決まりだな!じゃあさっそく…」
メレーナ「ちょっとまって、ヘルスは体を休めるべきよ!戦い疲れてるハズだわ。訓練は明日からにしましょうね」
ジェームズ「それもそうだな!お前は休め!ヘルス。」
ヘルス「え〜、俺まだ戦えるぞ!」
ジェームズ「いいから、休め!分かったな?」
ヘルス「分かったよ。とりあえず休むよ…。おやすみ…」
ジェームズ「俺たちも寝るか…。今日は色々…そして、ヘルスを助けてくれてありがとなメレーナ。おやすみ…」
メレーナ「ええ、私も新たに目的が増えたから。気にしなくていいわ。私も明日に備えて寝ることにするわね。おやすみ。」
翌朝から毎日、時間にして実に3年間メレーナとジェームズは、ヘルスを鍛え続けた。そして、鍛えられ魔法と剣術が上がったヘルスは18歳の時に養成学校を卒業し、冒険者に志望し、試練に合格しギルドに登録した。もちろんメレーナとジェームズもヘルスと共に冒険者に登録し、3人でパーティを組んだ。
ヘルスは剣士、ジェームズは拳闘士、メレーナは魔法使いという役職のパーティで、パワー、知能ともにバランスの良いパーティが完成した。
様々な街での異変を感じた3人は情報を集めた結果、全ての元凶は魔王だということを知る。
そして、3人は魔王と戦う準備のために、ある村に立ち寄る。
ヘルス「魔王と戦うためには装備だよな〜」
ジェームズ「そうだな〜。俺は肉弾戦だから…ロック・ドラゴンの鎧にしようかな〜」
メレーナ「いや、ロック・ドラゴンの鎧は高いだけで、そこまで強くないんだからオリハルコンの鎧にすれば?」
ジェームズ「それもそうだな…。よし!決めた。オリハルコンの鎧にする!お前は何か買うのか?メレーナ?」
メレーナ「私は賢者のローブとサンシャイン・ロッドにするわ!ヘルスは何買うの?」
ヘルス「俺は、剣士だから…とりあえず剣と盾を買うか…どれにしよっかな〜…。なにがいいと思う?」
メレーナ「私は…オリハルコンの剣が無難でいいんじゃないかって思ったんだけど…」
ジェームズ「俺は剣とかよく分からないから…お前が良いと思う剣と盾がいいんじゃねえかと思っているけどな。ヘルス!お前はどの剣がいいんだ?」
ヘルス「俺は…。あっこれ!コレいいね!コレにしよう!・・・。」
ジェームズ「何にしたんだ?」
ヘルス「へへっ、内緒!魔王戦で明らかになるよ!」
ジェームズ「じゃあ、みんな準備はいいか?ちなみに俺は大丈夫だ!」
メレーナ「私は大丈夫よ!」
ヘルス「俺も大丈夫だぞ!さあ行こう!魔王を倒し!平和を取り戻す!いくぞ!魔王城!」
3人は装備を整え、魔王城に向かった。
門番であるケルベロスをなんとか倒し、ついに魔王の間の扉の前に着いた3人は装備を再度確認し、魔王城の扉を開いた。
ヘルス「お前が魔王だな!お前を倒しにきた!」
魔王「よくきたな、待っていたぞ…。ん?お前ら勇者じゃないな。勇者じゃない者がここまで辿り着くなんて前代未聞だぞ!
まあいい、かかってくるがよい!キサマらを蹴散らしたあとは残りの世界を我が手におさめ、魔物達の王国を作る!さあ、早くかかってこい!雑魚どもめ!」
ヘルス「雑魚かどうかはやってみないと分からないだろ!行くぞ!喰らえ!聖剣・天空の覇者!!」
魔王「グワァッ!カッハ…。ハァハァ…なぜ!お前がその剣を持っている!?我の姉妹剣を!」
ザァン!!(剣で切った音)魔王に一撃を喰らわせたヘルスは自慢げに一言。
ヘルス「どんなもんだい!雑魚じゃないだろ!」
魔王「ふっ、その程度で勝った気でいるのか?だから雑魚だというのだキサマはよぉ」
ジェームズ「無駄口はそこまでだ!喰らえ!天地に舞う陽炎よ!我が秘拳にまとい蹂躙せよ!うおおおお!」
魔王「くっ、今のは効いたぞ!少しな!反撃と行こうか!まず手始めだ!メガ・フレア!」
メレーナ「ここは私に任せて!私もあの時より強くなった!展開!術式開始!空間魔法・異次元の扉!この魔法なら貴方のメガ・フレア如き異空間に送れるわ!」
魔王「そこの小娘もやるようだな!じゃあコレはどうだ?魔法を無力化する魔法だな?なら物理はどうだ?くらえ!全てを無に返してやる!我が滅びの邪剣・漆黒の炎龍王!」
ジェームズ「危ない!避けろメレーナ!
くっ、間に合わないか!ならば、俺が!天地に舞う陽炎よ!我が秘拳にまとい蹂躙せよ!
グァハッ…俺の拳じゃ、魔王の剣は返せないの…か…。メレーナ…ヘルス…お前らに会えて良かっ…た…。見ろ…見た通り今の攻撃で俺の体に大穴が開いてしまったようだ…。だ…か…ら…俺…は…ここまで…の…よう…だ…。
あとは…たの…ん…だぞ…、ヘル…ス…お前に最後に俺の全生命力を…魔…力にして渡す…うけ…と…って…く…れ…こ…これで…お前は…新しい…技が…つ…使えるように…なった…ハズだ…必ず魔王を倒してくれ…よ…。」
ジェームズはメレーナをかばった時、魔王の一撃をまともに喰らい腹部に大穴が開いてしまい、残りの生命力を魔力に変換して全てヘルスに託し力尽きた。
メレーナ・ヘルス「ジェームズ!ジェームズ!ジェームズ!」
いくら呼んでもジェームズは帰って来なかった…。
メレーナ「くっ、よくも!よくもよくも!彼を!ジェームズを!許さない!許さない許さない許さない!許さない!」
魔王「フフフフ…フハハハハ!!雑魚が死におったわ!小娘をかばったりなんてしなければまだ死なずにすんだものを。本当にバカなやつだ!冒険者と小娘よ!そう悲しむなお前らもすぐ後を追わせてやる!これ以上戦いを長引かせるのも面倒だ!お遊びは終わりだ!我も本気で行くぞ!この一撃で終わらせてやる!」
ヘルス「メレーナ!今は魔王を倒す事だけを考えろ!俺もジェームズが死んでツラいし悲しい!でもな、ここで魔王を倒さなければあいつが報われない!それだけは絶対に避けたいんだ!だから頼む!もう一度立ち上がってくれ!お前の力が必要なんだ!」
メレーナ「…そうね…その通りね!わかった!アイツを魔王を倒す!完膚なきまでに!」
ヘルス「こっちも本気で行くぞ!」
メレーナ「そうね!私の残りの魔力を全て使った強化魔法であなたをサポートするわね!」
ヘルス「ああ、頼んだ!」
メレーナ「聖なる水の精霊よ!ウンディーネの名の元に水の龍になりて、ヘルスの剣に纏え(まとえ)!」
ヘルス「ありがとうメレーナ!よし!行くぞ!魔王め!喰らえ!水神の逆鱗!我が剣、聖剣・天空の覇者にメレーナの精霊魔法で強化した魔族に有効な攻撃だ!俺は…俺たちはこの一撃でお前を終わらせる!ハァァァアアアア!!!!」
ガキィン←剣が交わる音
ガラガラガラ…←あまりの威力に魔王が飛ばされ魔王の椅子の台座が崩れる音
魔王「グハッ…ま、まさか我が剣が押し負けるだと…長年台座に座っていたから我が鈍っていたとでもいるのか!我は魔王ぞ!敗北は許されぬ!ならぬ、ならぬ、ならぬ!キサマら雑魚に負け…」
魔王が話し終える前にヘルスの二撃目が入る。
ヘルス「やはり一撃では終わらないか。なら二撃目でトドメだ!うぉぉぉ!」
魔王「カハッ…。キサマら…まだ我が話しておろうが…せめて我が話し終えてからトドメを刺すのが勇者のルールだろうが!」
ヘルス「悪の権化である魔王がルールとか戯言を抜かすな!お前のせいで多くの生物や、ジェームズが死んだんだぞ!お前の…お前のせいで!!それに…ルール?ルールだと?俺は勇者じゃないから関係ないな!言い残すことはそれだけか?じゃあ最後だ!これこそ正真正銘の最後の技、そして、ジェームズに託された技だ!喰らえ!覚醒した朱色の最後の審判(アラウザル・ヴァーミリオン・ラストジャッジメント)!!!うぉぉぉ!!!」
メレーナ「ヘルス!倒して!」
ヘルスが叫び魔王を斬ると同時に魔王城を覆っていた暗黒雲が晴れ太陽が見え始めた。
魔王「グフッ、ハァハァ…グァハッ…わ…我は…ここまで…なのか…我は…我は…。」
魔王はまだ何か言おうとしていたがそのまま消滅した。
メレーナ「ヘルス!やっと魔王を倒したわね…で…でも…ジェームズが…私を庇わなければ…ああああ〜」
メレーナは魔王が消滅し、緊張が少し緩んだのか、ジェームズが死んだ事を思い出し泣き崩れた。
ヘルス「泣くなよ。そう暗い顔をするな!確かにジェームズが死んだ事は悲しい…でも…やっと魔王を倒せたんだ。」
メレーナ「だって…ジェームズも村のみん…な…も…死んじゃったんだよ…。」
ヘルス「みんな覚悟を決めてやった結果だ。俺達だけでも生き残ったんだ…。俺らが笑わなかったら死んじまったアイツが報われないぜ。お前だって覚悟決めて勝利を望んでいたんだろう?
だったらもう泣くなよ、笑えよ!笑って、死んだジェームズを見送ってやろうぜ!
初めて俺たちでパーティーを組んだ時のお前は笑顔だっただろ?
お前に似合うのは笑顔なんだぜ?」
メレーナ「わかっ…た…よ。」
ヘルス「そうだ!それでこそ、いつものお前だ!」
そして魔王が倒されたことにより、魔界と化していた世界も元に戻った…。
目的を達成したヘルスはメレーナと話し合った結果、別れて別々の道を歩む事にした。
そして魔王城があった所にジェームズや、死んで行った村人達の墓を建てた。
メレーナ「失ったものも多かったけど、あなたがいたから魔王を倒せたわ!ありがとう!」
ヘルス「礼を言うのはこっちだ!メレーナやジェームズが俺を鍛えてくれなかったら俺は剣も魔法も使いこなせていなかった…お前らのおかげで俺は強くなり魔王を倒す事ができたありがとう!」
メレーナ「じゃあ私はもう行くね!次の世代に魔法を教えるためにもっと強くならなきゃ!」
ヘルス「俺もそろそろ行くか!俺もメレーナに負けないくらい強くならないと!次に魔王が出現するのはいつか分からないし、今回はなんとか倒せたけど、次は倒せないかもしれないからな!よし!がんばるぞ!」
メレーナ「じゃあね!ヘルス!あなたに会えて本当に良かったわ!また、どこかで会いましょう!元気でね!」
ヘルス「ああ!またな!メレーナ!俺もお前にあえてよかった!お前も元気でな!」
それぞれの思いを胸に、2人は別れた。
世界にはまた、平和が戻った。
魔王が消滅し数百年平和が続いた世界で
彼らは人々にこう呼ばれている
"勇者" と!
完